TBSが4月入社の新人アナウンサーに、元プロテニス選手の石井大裕(24)を採用していることが18日、分かった。石井は、12歳で元プロの松岡修造氏が主催する「修造チャレンジトップジュニア」のキャンプに選出され、主将を務める逸材だった。同時期に松岡氏に鍛えられたプロテニス錦織圭(20)もあこがれた先輩だった。その後、全日本ジュニア室内テニス選手権を準優勝。慶大入学後に単身で渡欧し、プロテニスプレーヤーとなり、イタリアを拠点に世界のトーナメントを転戦して、世界ランク入りも果たしていた。だが、負傷が相次ぎ06年に夢半ばで引退した。

 翌07年からは、大学生活のかたわら、米国でTBSのスポーツ番組「J-SPO」の契約スタッフとしても働いた。日本代表が連覇した昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)なども取材し、テレビ報道に興味がわいたという。周囲には「モロッコやトルコなど劣悪な環境の世界ツアーも1人で回って、根性は養った」と話しており、10年同局のアナウンサー採用試験でも、プロ生活で経験した個性的なセールスポイントをアピール。約4000人が受験し、男性1人、女性2人採用という超難関を突破したという。

 来年のテレビ朝日採用者には、07年にJ1甲府(現J2)でプレーした元Jリーガーの富岡英聖(25)が内定したことが明らかになったが、TBSは既に元プロテニス選手の採用を決めていたことになる。アナウンサーになる石井は周囲に「いつかテニスの4大大会で、錦織選手が決勝戦を戦う試合を実況してみたい。インタビューで再会したい」と話しているという。語学も堪能な石井は、元モーニング娘。で、テレビ東京に内定した紺野あさ美(22)とともに、4月からの注目新人アナウンサーになりそうだ。

 [2010年3月19日9時36分

 紙面から]ソーシャルブックマーク