坂本冬美(43)が、「また君に恋してる」の大ヒットで、演歌歌手として久々の快挙を成し遂げたことが12日、分かった。坂本のシングルとアルバムが、19日付オリコンランキングで、同時にトップ10入り。演歌歌手としては故美空ひばりさん(享年52)以来、20年7カ月ぶりとなる。同曲はすでに着うたでも1位を獲得するなど、女子中高生らにも支持されており、世代を超えて「また君」ブームが巻き起こっている。

 13日発表の週間ランキングは、坂本のシングル「また君に恋してる/アジアの海賊」(09年1月発売)が4位、アルバム「Love

 Songs~また君に恋してる~」(同10月発売)が6位。シングルは前週5位からランクアップで、4位は坂本自身の最高位更新だ。アルバムは同11位から6位に急上昇、シングル、アルバムの同時トップ10入りを果たした。

 演歌歌手の同時トップ10入りは、89年6月に死去した故美空ひばりさんのシングル「川の流れのように」(9位)とアルバム「特選集」(8位)が、同年9月11日付で記録して以来、20年7カ月ぶりの快挙となる。オリコン関係者は「ひばりさんの場合、国民的歌手の死去という社会現象があった。CD売上が低迷する今、坂本さんも社会現象化しているのでは」と話した。

 「また君~」は、ビリーバンバンが07年に発表した曲のカバーで、本当は「今も好きだよ」と言いたいのに、微妙な距離感で素直になれない男女の心理を巧みに歌い上げる。10~20代のラブソングは数多いが、08年に大ヒットした「愛のままで…」(秋元順子)のような、大人の音楽は少ない。そんな中、あえてこぶしを封印した坂本の新鮮な歌声が、焼酎「いいちこ」のCM曲としてもジワジワと浸透。現在、シングルは約14万枚、アルバムは約10万枚で、配信中心の音楽シーンでは異例の売り上げだ。先月中旬にはTBS系「中居正広の金曜日のスマたちへ」に出演、女子中高生にも支持されている。

 坂本は「まず1万枚と思っていたので、自分でも本当に驚いています。ひばりさん以来なんておこがましいですが、今後も真心を込めて歌いたい」と話した。

 [2010年4月13日8時58分

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