昨年11月、覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪で有罪判決を受け、執行猶予中の元女優酒井法子さん(39)が、同罪で執行猶予中の高相祐一さん(42)と6月末に離婚していたことが29日、分かった。酒井さんは同事件の初公判で、更生の条件として離婚を表明。早くから離婚の決意を固めていたが、高相さん側が話し合いになかなか応じず、約8カ月を要してようやく決着した。すでに都内の自宅マンションを売却。酒井さんは子育てに専念する意向だ。

 離婚届を提出したのは6月末。最終的には協議離婚による決着となった。

 高相さん側がなかなか離婚に応じなかったため、酒井さん側は5月に離婚調停を起こした。家裁で行われた第1回調停には、双方の弁護士が出席して行われた。次回調停は7月中に行われることになっていたが、その前に高相さん側がようやく協議に応じたという。慰謝料はない。酒井さんが長男(11)の親権を持つ。

 酒井さんは早くから離婚の意思を示していた。一連の事件では、高相さんが覚せい剤を入手。妻だった酒井さんに使用を勧め、酒井さんが薬物に手を染めた経緯がある。酒井さんは昨年9月の保釈直後は揺れる気持ちの中で、高相さんの母親へ「(夫と息子と)3人でまた暮らしたい」との手紙を書いた。だが、静かな環境の中で冷静に考えた結果、周囲の勧めもあって、事件と決別するために夫との離婚を決意。昨年10月に開かれた自身の初公判では、「更生するには離婚が必要」と離婚を明確に打ち出していた。

 離婚には約8カ月の時間を要した。酒井さんの固い決意は揺らぐことはなかったが、高相さん側は事件公判で「家族でやり直したい」などと話し、結婚の継続を主張。親子3人での生活を求めた。酒井さん側が要請した離婚の話し合いにも「1度本人同士で会ってから」として、なかなか応じようとしなかった。

 だが、双方の弁護士同士の話し合いが重ねられ、ようやく離婚が成立する寸前、トラブルが発生した。3月に高相さんの再犯疑惑が浮上。高相さんが営業マン風の男性が見せた白い袋に見入る写真を写真週刊誌が掲載。「シャブ購入現場」との題名で、白昼堂々薬物の売買が行われていたと報じられた。この一件を機に、酒井さん側は高相さん側と連絡が取れなくなり、離婚の話し合いがストップ。事件との決別を示すために早期決着を目指していた酒井さん側が、離婚調停を起こさざるを得ない状況となった。

 酒井さんは事件から立ち直るべく、更生の道を着実に歩んでいる。昨年末から創造学園大ソーシャルワーク学部の通信課程に入学。子育てのかたわら、在宅で介護の勉強をしている。プロサーファーだった高相さんの実家や、高相さんの父が経営するスキーショップも近いことから、事件前まで結婚生活を送っていた東京・青山のマンションを約1カ月前までに売却。現在は、事件現場となった青山からは離れた都内の賃貸アパートで、長男と母子2人で静かに暮らしている。

 酒井さんは長男が通う都内の小学校でPTAの役員を務め、運動会などの学校行事の活動にも励んでいる。仕事のオファーは多いものの、子育てに必死で、現段階で芸能活動は考えていないという。事件から約1年。今は事件について日々反省しながら、1人で長男を育て上げることに専念している。

 [2010年7月30日11時49分

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