大みそかの「第61回NHK紅白歌合戦」の総合司会を有働由美子アナウンサー(41)が務める方向で検討されていることが19日、分かった。複数の関係者によると、好調な情報番組「あさイチ」(月~金曜、午前8時15分)の司会で高い評価を得て、最有力候補に挙がったという。有働アナは01~03年まで紅組の司会を務めた。7年ぶりに立つ紅白の舞台では初の総合司会者の大役となる。NHKは、10月中にも正式発表する方向で準備を進めている。

 61(ろくじゅうイチ)回目の紅白歌合戦の総合司会は「あさイチ」の司会、有働アナが務めることが濃厚となった。有働アナは07年から米国総局に赴任し、今年春に3年ぶりに日本に戻ったばかり。日本復帰直後の仕事はNHKが「NHKの朝が変わる」と力を込めて企画した番組で、有働アナは期待に十分応える活躍を示してきた。

 視聴率は民放が同時間帯に放送する情報ニュース番組をしのぐ数字も残した。V6井ノ原快彦(34)との絶妙なコンビネーションで朝の時間帯ながら14%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を超えることもある。文字通り、NHKの朝を変え、同局の朝の顔になっている。

 今年の紅白歌合戦は、昨年の60回というメモリアル紅白を終え、新たな第1歩を踏み出す意味を込めて行われる。NHKの朝を変え、新しい朝を築いた有働アナを、今度は新しい紅白を生み出していく大役に起用すべく、局内から白羽の矢が立った模様だ。

 有働アナは、同番組で明るさとさわやかさ、経験からくる落ち着きも備え、主婦層を中心に女性の人気を得ている。「あさイチ」のほか、音楽番組「SONGS」でナレーションも務め、最近の音楽事情にも詳しい。これまではスポーツキャスターのほか、報道番組「ニュース10」のキャスター、さらに「スタジオパークからこんにちは」の司会を務め、元気と明るさで男性ファンも多く獲得。性別を問わず、幅広い世代に親しまれている。国民的番組の総合司会にはピッタリと考えられた。

 NHKは、今年の紅白のテーマを「歌でつなごう」と発表。人と人をつなげるのは歌であり、それを届けるのが紅白の使命という趣旨。7年ぶりに帰ってくる紅白の舞台で、有働アナの親しみやすい笑顔が2010年を締めくくる。

 [2010年10月20日9時54分

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