萩本欽一(69)主演の明治座公演「いかん

 どっかん

 あっけらかん」(28日まで)が2日、初日を迎えた。リハビリ中の坂上二郎(76)が声と等身大パネル写真で登場。萩本は「二郎さんがいないと寂しいね。また一緒にやりたい」と涙を見せた。

 笑いが涙に変わった。爆笑の連続だった舞台が終わり、萩本はカーテンコールに坂上の等身大パネルとともに登場した。2年前の公演の扮装(ふんそう)パネルは大道具スタッフが用意した。萩本は「最後のコント55号の公演で一緒に踏ん張ろうと言ったけど、実現しなかった。長いことコンビやっているけど、こんなことになるとは思わなかったよ」と涙をみせた。

 坂上は昨年8月に倒れた。左半身に続いて右半身も不自由になった。9月30日に萩本が見舞った時も足腰は立たなかったが、明るい声と表情は健在。病床で録音した声やビデオ映像の出演も検討したが、家族から「無理」との連絡が入り、前回舞台で収録した声を流した。神棚に小倉久寛ふんする子分がお願いすると、坂上の声で「大丈夫だよ」。「本当に神様ですか」と聞くと「いいえ坂上です」。そして「ありがたいことです」と元気な声が流れ、客席に笑いが広がった。

 萩本は「コント55号の舞台をみせたかったので、二郎さんがいないと寂しい。シーンが終わるたびに、おれらしくないな、あまり動いてないなと思った。二郎さんがいないんで、腹が立って張り倒すところまでいかない。55号で死ぬまでやっていく気持ちだったので、戦闘意欲がわかない」と45年一緒だった相方の不在が演技にも影響した。しかし、客席から「二郎さ~ん」の掛け声がかかると「うれしいね」と喜んだ。「この声は録音しているから、二郎さんに届けるよ。『またやろうぜ』が一番の元気づけになる」。コンビ復活を初夢に掲げた。

 [2011年1月3日9時13分

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