お笑いタレント、狩野英孝(29)が東日本大震災をきっかけに、実家の宮城県栗原市の桜田山神社で父親が務める宮司を継ぐ決意を固めた。21日、都内で行われた宮城県気仙沼市出身のマギー審司(37)発案の義援金募金活動に参加。「運が悪かったら、両親は亡くなっていたかもしれない。うかうかしていられない」と話し、震災をきっかけに実家を継ぐ思いを強くした。

 故郷の栗原市は今回の地震で最高となる震度7を記録。実家は灯籠が倒れるなどの被害があった。桜田山神社は約1500年の歴史を持つ。狩野は2人兄弟の長男。帰省するたびに、父親の第38代宮司、勉さん(58)から「宮司を継いでくれ」と言われ続けている。

 「父親がまだ元気だから大丈夫、と後継ぎを正直考えてなかったんですが、最近は会うたびに年を取っていく…。これまではちょっと待ってくれと言っていましたが、今回の地震で守らなければ、という思いを強くしました」と、第39代宮司になる覚悟を明かした。

 半年ほど前から神社についての勉強を始めた。作法についてなど神社関連の本を購入。移動の合間などに読んでいる。「まずは資格をゲットしたい。資格を取れば、父も安心してくれると思う。父が現役のうちに、10年以内には固めていきたいですね」と話した。

 芸能界を引退することは考えていない。「過疎化で神社の仕事も少なくなっています。例えば土、日に神社の仕事をするなど、うまく掛け持ちできたらいい。できれば、弟と2人で宮司を継ぎたい。まだ父に言ってないですけど」。芸能活動と両立させ、兄弟助け合って家業を継ぐ意向を示した。

 この日は18日に続いて、募金活動を行った。降りしきる雨の中、約4時間半、街頭に立って、義援金募金を呼び掛け続けた。まずは地元復興にできる限り協力するつもりだ。【近藤由美子】