東日本大震災で大津波の被害を受けた岩手県陸前高田市出身の俳優村上弘明(54)が2日、避難所になっている母校の同市立広田小を訪れ、被災者らを激励した。被災者が生活する教室に入り、1人ずつ握手を交わし「生涯かけて復興に努めたいと思う」と約束。また、同小で不足している衣服(子供服)や紙おむつなどを段ボールで20箱提供した。

 地震翌日の先月12日から同小に避難していた両親は、親族が住む同県一関市に一時的に引っ越した。村上は1日午後5時に都内を出発し、陸路で一関市を経由して同小へ約20時間かけて入った。震災後、両親と初対面した村上は「無事で良かった」と両親の手を握ったという。同市の約8割は津波の被害に遭い、今でもがれきの山から臭いが漂い「生まれ育った街が…。言葉にならない」と声を絞った。

 それでも、地元の友人、知人との再会に「精神的に強い人ばかり。前に向かって行こうという姿勢が見えた。逆に勇気をもらいました」と力を込めた。また、村上の高校の後輩でみちのくプロレスの気仙沼二郎(38)も駆け付けた。【峯岸佑樹】