東海テレビ放送が4日放送した情報番組「ぴーかんテレビ」(月~金曜午前9時55分)で、岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米セシウムさん」などと表示する不適切なテロップを流した問題で、同局は5日、同番組の放送を当分の間休止すると発表した。

 この日、同局では午前9時55分から2分半の特別枠で、同番組の司会を務める福島智之アナウンサーが謝罪した。さらに午後6時37分からは「不適切な放送のお詫びとご報告」と題した特別番組を放送。冒頭、浅野碩也社長が「大変不快な思いをさせてしまったことを深くおわびします」と謝罪した。

 特別番組では、同局の2人のアナウンサーが、不適切なテロップが流れた原因を説明した。CG制作を担当する50代男性が「ふざけた気持ち」で作ったものが、人為的な操作ミスで放送されたという。本来は出来上がったCGをディレクターやタイムキーパーがチェックし、問題がなければ放送するが、今回は不謹慎な表現があったため、タイムキーパーが2度にわたって、担当者に訂正を求めたが訂正されなかった。23秒間にわたる表示も、ディレクターらが次の放送のリハーサル中だったために発見が遅れたという。

 この日は朝から同局の祖父江伸二常務らが岩手県の関係各所に謝罪に回った。県庁で対応した東大野潤一農林水産部長は「生産者は被災者。風評を一番恐れている。非常に重大なこと」と抗議した。盛岡市内で会談したJA岩手県中央会の田沼征彦会長も「悪ふざけにも程がある。我々にとっては事故ではなく事件だ」と厳しく批判し、抗議文を手渡した。今回の問題で同局には5日までに約800件の苦情や問い合わせがあった。後日あらためて検証番組を放送するという。