俳優江口洋介(43)が、10月2日放送開始のWOWOW開局20周年記念番組・連続ドラマW「パンドラ3革命前夜」(全8話)に、脳科学者役で主演することが19日、分かった。江口と共演するのは、18日に女優一路真輝(46)との離婚を発表した俳優内野聖陽(42)。内野は日本再軍備に向けクーデターを計画する内閣官房長官を演じる。

 江口が自殺防止のための脳神経伝達システムという、画期的な治療法の開発、治験に成功した脳科学者の鈴木精二を演じる。今回は車いすに乗っての演技にも初挑戦。「動きが制限される分、難しい。でも不自由な状態で生きているからこそ、鈴木は自分ができることも計算しながら生きてるんだろうと思う」と語った。

 作品は革命的な発明により、災いをもたらす禁断の“パンドラの箱”を開いた人々の運命を描く。シリーズ3作目で、脚本は03年のフジテレビ「白い巨塔」などで知られる脚本家・井上由美子氏が担当する。共演するのは内野聖陽。鈴木が、海上自衛隊の潜水艦が消息を絶ったことを隠そうとする政府方針に悩む湯田(内野)と20年ぶりに再会し、未認可の治療法で自殺のふちから救う。それが逆に湯田を独裁的な政治家に変え、日本に混乱が巻き起こるという一大群像劇を1話1日、全8日間で描く。

 江口は08、10年に放送された過去2シリーズから注目していたドラマだったという。「今は医療や科学の進化と経済の進化は影響し合っているところがあると思う。『パンドラ』は良かれと思って“神の領域”に触れてしまう医師や科学者が題材なので、近未来に起こりそうだと興味をひかれた。社会派でガチガチに仕上げるのではなく、エンターテインメントとして成立させているところも面白い」とオファーされた段階から前向きだったという。

 また「白い巨塔」で「セリフの文章の完成度が高い」と感じた、井上氏の脚本にも役者魂を燃やしている。「男性が書いたかと思うくらい、男の欲望や裏切りがロマンみたいなものも含め、ちゃんと描かれている。芝居も文章をただ読むだけで、それなりに成立しちゃう。そこに甘えず、どうやって自分の体とセリフの裏にある登場人物の気分を乗せていくか」と話した。

 江口、内野のほか上川隆也、小沢征悦、板谷由夏、福田麻由子、山本耕史、若村麻由美、平幹二朗、泉谷しげるらが出演する。