芸能界からの引退を表明した島田紳助さん(55)の「黒い交際」の詳細が24日、浮かび上がった。島田さんが、友人の元プロボクシング世界王者渡辺二郎被告(56=恐喝未遂罪で実刑判決を受け上告中)を介して「親密メール」を交わしていた暴力団関係者に書いた直筆の手紙や交際をうかがわせる写真などが、大阪府警による関係先の家宅捜索で見つかっていた。この関係者は、日本最大の指定暴力団山口組のNO・4にあたる最高幹部であることも判明。島田さんは23日の会見で、こうした手紙や写真の存在を否定していた。

 島田さんは23日の引退会見で、渡辺被告をAさんとし、十数年前のトラブルを解決してくれ、同被告を介してメールのやりとりをしていた暴力団関係者をBさんと表現した。この日、彼らとの「黒い交際」の具体的状況が明らかになった。

 捜査関係者によると、このBさんは、指定暴力団山口組2次団体幹部で、山口組NO・4にあたる「筆頭若頭補佐」という役職を持つ幹部という。大阪府警が05年、同幹部の関係先を家宅捜索した際、島田さんから幹部に宛てた直筆の手紙や、幹部と同席している写真が見つかっていた。関係者によると島田さんは手紙を書いたことは認めているが、写真を撮った記憶は定かではないという。

 島田さんが渡辺被告を介し、この幹部と05~07年ごろに交わしたメールも、同被告が07年に未公開株売買を巡り恐喝未遂罪に問われた事件の捜査の中で、明らかになり、親密ぶりをうかがわせるような内容だったという。この幹部が競売入札妨害などの容疑で大阪府警に逮捕されたことを心配し、自分が経営する店で高額な飲食をしてくれたことを感謝していた。

 島田さんが引退を決断したきっかけは今月中旬、同被告を通じた同幹部とのメールが、外部からの情報で判明したことだった。島田さんは会見で、十数年前に起きた「解決できないトラブル」を、渡辺被告を通じて同幹部が解決してくれたため、感謝のメールを送ったのがきっかけと説明。捜査関係者によるとこのトラブルは、テレビ番組での自身の発言をめぐる右翼団体とのもので、同幹部が解決に乗り出していたという。

 また、今日25日発売の「週刊文春」には、同幹部が神戸のブティックに島田さんを連れていったことがあったり、島田さんが、大阪の自宅で開いたパーティーに同幹部を招待したことがある、などの知人証言が掲載されている。

 島田さんは、渡辺被告とは以前から親しい仲だったようだ。会見でも、渡辺被告が否定したことから、同被告を暴力団関係者ではないと認識していたと強調。しかし、所属の吉本興業は同被告について「数十年来の友人関係の後、暴力団関係者になった」と説明した。

 実際、島田さんは00年、大阪地裁で開かれた、銃刀法違反の罪に問われていた渡辺被告の公判で情状証人として出廷。涙ながらに「寛大な刑をお願いします」と訴えたこともあった。

 会見で島田さんは、同幹部とは「交際という認識はなかった」と強調。手紙や同席写真の存在などについても「あるわけないですから」と強く否定していた。