日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」(土曜午前9時半)のナレーションで知られる、声優でナレーターの滝口順平(たきぐち・じゅんぺい)さん(本名幸平=こうへい)が29日午前7時33分、胃がんのため入院先の病院で死去した。80歳だった。葬儀、告別式は遺族の希望で、近親者のみで行われる。

 滝口さんは千葉県出身で高校卒業後、TBSの前身ラジオ東京放送劇団に第1期生として入団。56年に日本テレビ史上初の海外ドラマ「カウボーイGメン」で声優を担当し、日本で初めて生放送で吹き替えした。外国映画では、64年公開の映画「007

 ゴールドフィンガー」など太った悪役を演じることが多かった。

 77年の「ヤッターマン」でドクロベエを演じ「おしおきだべぇ~」のせりふで子どもの人気者となった。92年10月3日から放送が続く「ぶらり途中下車の旅」の名ぜりふ「おやおや、今日はどこへ行くんですか?」は、松村邦洋らお笑い芸人にまねされた。

 「ぶらり-」の958回目、7月30日放送分の収録を最後に体調不良で休養。TBS系「ぴったんこカン★カン」(金曜午後7時56分)にも出演しており、両局には「必ず体調を整えて戻ります」と現場復帰への強い意欲を口にしていたという。「ぶらり-」は、滝口さんが休養した際に俳優えなりかずきらが代役を務めていたが、現在は声優神谷明(64)が出演し、「ぴったんこ-」はこの2週間、古賀慶太が出演していた。日本テレビもTBSも「代役の方で続けながら、後任が決まれば発表します」と番組は継続の方向だ。