SDN48が3月31日、東京・NHKホールで、全メンバー39人の卒業公演を行った。グループの解散ではなく、09年8月1日の劇場デビューから2年8カ月で、ひとまずの終演となる。今後は未定で、グループは事実上の活動休止に入る。秋元康総合プロデューサー(55)は、約5800通ものファンからの存続嘆願書に応える形で、1年後のメンバー再会を明言した。

 アンコールが鳴りやまない。ダブルアンコールに登場するとキャプテン野呂佳代(28)が、感謝のスピーチを始めた。全シングル曲は、オリコン週間チャートで、ベスト3以上。最後の作品の3月21日発売のアルバム「NEXT

 ENCORE」で、悲願の1位を記録した。その歩みに感謝した上で「SDNはAKBみたいに、大きな記録は残せなかったけど、皆さんの記憶に残るグループでいさせてください」と涙すると、3000人超満員の観客は泣きながら、SDNコールで応えた。

 卒業証書を受け取るように、39人全員が、ファンから名前をコールしてもらうと思う存分に涙を流した。

 でも、悲しみは、ここで終わりだ。昨年秋、突然の卒業を言い渡され、戸惑い悲しんでいた姿は、もうない。半年間で、独り立ちする覚悟をつけていた。最後は「孤独のランナー」で、涙を振り払った。がけっぷちでも、夢をあきらめずに走り続けてきた自分たちの姿を歌った代表曲。再び前を向くと、胸を張って卒業した。

 嘆願書を読んだ秋元氏は「いろんなことを考えた結果、1年後に皆と会おうと思いました。ファンの声援を裏切らないで、1歩でも前に進んだ姿で、笑顔で再会しましょう」と話した。1年後の“同窓会ライブ”に、堂々と出席するためにも、39人は、それぞれの夢に、今日からまた、まい進し続ける。【瀬津真也】