「元祖プッツン女優」と呼ばれた藤谷美和子(49)が神奈川県小田原市内で徘徊(はいかい)生活を送っていることが5日、分かった。「数年前から毎日午後5時半に小田原駅前に必ず現れる」などと住民が証言した。藤谷自身も日刊スポーツの取材に応じ、2005年(平17)に結婚した演出家岡村俊一氏(50)との離婚を希望していることや、現在は芸能界復帰の意思がないことなどを明かした。

 女優活動を停止している藤谷は、東京から約85キロ離れた小田原市にいた。住民の証言によると、毎日のように決まって午後5時半、小田原駅前のロータリーに姿を見せるという。同駅前では、複数の住民が声をそろえた。「昨日と今日は姿を見ませんが、2日前までキャリーバッグを引きずって1人で歩く姿がありました。キャップを目深にかぶって、すごいスピードで歩いています。何年も前から見ています」。

 この日、同時刻に姿はなかった。しかし、午後8時半頃、白いコートを着て、藤谷が駅改札前に現れた。記者が「藤谷さんですか」と声をかけると、いったんは「違います」と言い立ち去ろうとしたが、「日刊スポーツですが」と続けると、立ち止まって現在の心境を語り始めた。

 -長らく芸能活動をされていませんが、復帰の意思はありますか

 藤谷

 自分をメディアに出さないようにと書いてある紙が出回っているから出られない。女優としては昔のような作品には出たいけど、今は出たいと思う作品がない。印税が自分にちゃんと入って納得できる作品なら出たいです。今は女優よりもデザインや建築、映像関係の仕事がしたい。

 藤谷はドラマや映画の途中降板、ドタキャンや失踪騒動を起こし、03年には皇居にタクシーで乗り付け「秋篠宮さまは私の弟、紀宮さまは私の妹」と侵入を試みる皇居突入事件など、奇行が目立った。05年に演出家岡村氏と結婚したが、岡村氏とは結婚後も同居しない「別居婚」で、藤谷はこの日、取材に離婚の希望を明かした。

 -岡村氏と連絡は取っていますか

 藤谷

 取ってません。離婚はしたい。今すぐにでも離婚したいです。指輪ももらってないし、結婚式もしていませんから。

 -現在の生活は

 藤谷

 猫ちゃんを何とか誰かの家で暮らさせてあげたい。それが今の私のやらなきゃいけないことです。

 一方、岡村氏は離婚の意思を否定した。「彼女が普通に仕事ができたのは10年以上前までで、今は更年期に伴う心身の不調で仕事はできない状態。夫というよりは保護者のような気持ちです。離婚はしません」。

 岡村氏によると、数年前から藤谷は母親と小田原に移り住んでいるという。藤谷の自宅マンション近くの住民は「熱海のスナックで働いていると聞いた」と証言。かつて女優、歌手として輝きを見せた藤谷だが、所属事務所との契約も切れており、芸能界復帰は現実的ではない状況だ。

 ◆藤谷美和子(ふじたに・みわこ)1963年(昭38)3月10日、東京都生まれ。13歳でCMデビュー。78年、日本テレビ系ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」で人気を集め、84年、NHK連続テレビ小説「心はいつもラムネ色」でヒロイン。93年、映画「寝盗られ宗介」で各映画賞を受賞。94年、デュエット曲「愛が生まれた日」のヒットでNHK紅白に出演。その後、バラエティー番組などに出演していた。