ビートたけし(65)が11日、東京・初台の東京オペラシティで個展「GOSSE

 DE

 PEINTRE

 BEAT

 TAKESHI

 KITANO

 絵描き小僧展」(13日開幕)の会見を行った。2年前に、パリのカルティエ現代美術財団で開いた個展の日本凱旋(がいせん)展覧会。たけしにとって、国内初の個展となる。

 開口一番、「ボンジュール」と、フランス語のあいさつで笑いを誘った。94年のバイク事故以降、リハビリを兼ねて絵画制作を始めた。ユニークな画風と着眼点は、映画監督キタノのもう1つの才能として、欧州でも高い評価を得ている。この日は「6歳か7歳の子供が描いた絵と思って見てもらえばいいね」と謙遜したが、「事務所の社長は売らないと言っていたけど、腹の底では売れないかな、10円でも20円でも」と笑わせた。「でも買うほどの価値のあるものじゃない。1番の願いは楽しんでもらうだけ」と絵画制作はあくまで仕事と切り離した部分であることを強調した。また「面白いのは、高い金を払って良い酒を飲んで夢中になって酔っぱらうのと、絵の具を買って絵を描くのも精神的には同じ酔い方」と独特の例え方で絵画制作の楽しさを解説した。

 お笑いで頂点を極め、映画監督として世界的な評価も得た。それでも「自分はいろんな肩書があるけど、何1つ誇れるものはない。10種競技のように、全部まとめてで価値がある」と言い、「今回も全体的に見て感覚的に遊んでもらえたらいい」と、今回の展覧会が最良の方法の1つと考えている。

 今回は、版画にも挑戦した。ここまで真面目に芸術を語っていたが、我慢できなくなったのか、「刷って開ける瞬間のドキドキはお姉ちゃんのパンツを下ろすのと同じ」。最後は、たけし節で締めくくった。