作家東野圭吾氏(54)の異色短編小説3作品がドラマ化されることが18日、分かった。出版界の裏話をブラックユーモアを交えながらつづった短編小説集「怪笑小説」(95年)、「毒笑小説」(96年)、「黒笑小説」(05年)、「歪笑小説」(12年)の中からえりすぐった「モテモテ・スプレー」「あるジーサンに線香を」「誘拐電話網」の3作品。ドラマシリーズ「ドラマJoKer」と銘打ち、ケーブルテレビのJ:COMチャンネルとauスマートフォンで放送する。

 いずれの短編集も、出版界でタブーともいえる領域を題材にした異色作として知られる。東野氏による「もうネタ切れ。業界の皆さま、ご安心ください。もう書きません」という直筆メッセージを使った広告も話題になった。

 各ドラマの放送時間はそれぞれ約30分。主演俳優には、個性派、実力派の顔ぶれをそろえた。「モテモテ・スプレー」は浜田岳(23)、「あるジーサンに線香を」は笹野高史(63)、「誘拐電話網」は三上博史(49)がそれぞれ主演を務める。制作にあたる山田雅子プロデューサーは、「俳優さんから面白い匂いがしてしまうと、台なしになってしまう種類の『笑』がテーマ。メーンキャストをあえて芸人さんにしないのが裏テーマでした」と狙いを明かした。

 東野作品は「ガリレオ」や「白夜行」などが次々とドラマ化され、どれもがヒットしている人気小説だ。

 同シリーズの主題歌は、トータス松本が歌う「笑ってみ」。放送は「モテモテ・スプレー」が8月1日から、「あるジーサンに線香を」が9月1日から、「誘拐電話網」が10月1日から放送開始する。<「ドラマJoker」シリーズ>

 ◆「モテモテ・スプレー」

 会社の同僚(倉科カナ)に振られたタカシ(浜田)は、あるサイトで出会った博士(津川雅彦)からモテるスプレーを入手。同僚に再アタックする。

 ◆「あるジーサンに線香を」

 あるジーサン(笹野)は若返り実験に参加。若返ったジーサン(菅田将暉)は好意を寄せる書店員(宮沢佐江)とデートを重ねる。

 ◆「誘拐電話網」

 そば店を妻(ミムラ)と営むカワシマ(三上)は、誘拐犯を名乗る男から見知らぬ子供の身代金を要求される。