ダイアモンド☆ユカイ(50)がAKB48のひと言に発奮した。25日に初カバーアルバム「Respect」を発表する。ロックバンド、レッド・ウォリアーズのボーカルとして一世を風靡(ふうび)したが、最近は異色タレントとしてバラエティー番組出演が急増。共演したAKB48から「ユカイさんって歌も歌うんですか~?」と言われ、ロック魂に火が付き、アルバム発表を決意した。本領発揮にユカイは大満足。どうだ、AKB48!!

 ユカイは今年初め、バラエティー番組で、AKB48のメンバーから、思いがけない言葉を掛けられた。「え?

 ユカイさんって歌も歌うんですか~?」。ニヒルに笑ってみせたが、ロッカーのプライドは微妙に傷ついていた。関係者は「ショックだったと思います」と代弁する。

 無理もない。飾らないユニークな発言で人気を集め、現在はバラエティー番組に引っ張りだこ。関係者も「おかげで若いファンが増えました」と喜ぶが、「音楽番組で歌う姿を見ると皆さん驚かれるのです」と言う。すっかり、異色タレントとして見られている状況だ。80年代から90年代にかけて、人気ロックバンド、レッド・ウォリアーズのボーカルとして、女性ファンを熱狂させたが、AKB48メンバーのほとんどは、その姿を見ていないのだ。

 「歌も歌うんですか」。ユカイは「まるでジョン・レノンが息子から『パパってビートルズだったの?』と驚かれたのと同じじゃないか」と受け止めた。ロック魂がメラメラ燃えて新アルバムを決意した。

 「Respect」はユカイにとって、約2年ぶりのアルバム。前作はインディーズ(自主制作)だったが、今回はワーナー・ミュージック・ジャパンというメジャー発売。ボーカリストの原点に立ち返るため、「愛するロックを学んだ先達にオマージュ(敬意)をささげる」としてカバーアルバムとした。テーマは「カラオケで歌えば、誰もが二枚目になれる。男が泣ける男の歌」。石原裕次郎さんの「夜霧よ今夜も有難う」や上田正樹の「悲しい色やね」など名曲がズラリと並ぶ。

 6月下旬、番組で再び共演したAKB48のメンバーに、完成したばかりのサンプル盤CDをすぐに手渡した。さらに自身のブログには「オレが芸人じゃないことを証明する」と記した。【笹森文彦】

 ◆ダイアモンド☆ユカイ(DIAMOND☆YUKAI)本名・田所豊。1962年(昭37)3月12日、東京都生まれ。専大卒。86年に結成したレッド・ウォリアーズのボーカルとしてデビュー。89年解散後、ソロ活動開始。現在、NHKラジオ第1「すっぴん!」(水曜担当、午後8時)などにレギュラー出演。8月10日に栃木県・佐野市文化会館で行われる「さの秀郷まつり前夜祭」で新アルバム発表を兼ねたライブを行う。妻と2男1女。血液型B。