野外音楽フェスティバル「ap

 bank

 fes」が16日、静岡・つま恋で開催された。Mr.Children桜井和寿(42)らが環境問題に取り組むために設立した「ap

 bank」が主催するイベントで、昨年からは震災復興支援の意味合いも込められ、収益は全額復興支援に充てられている。今年もミスチルをはじめ、シンガー・ソングライター小田和正(64)やJUJUら多数のアーティストが集まり、会場を盛り上げた。

 大トリを務めたのは、例年通りミスチルだった。ボーカルの桜井が、語りかけた。「良いイメージが、悪い現実を上回ることだってあると思う。今日、皆さんがお金を払って買ってくれたチケットが、ここにはいない誰かの役に立ってることをイメージしながら、聴いて下さい」。その思いを受け止めた観客から、大きな拍手を浴びた。

 この日、選んで歌った「Image」という静かな曲には、「死と再生を繰り返す命、愛」という歌詞がある。桜井は、「命」の部分で叫び、被災地への思いを強調した。

 ほかにも「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」など夏らしいアップテンポなヒット曲も歌った。新曲の「Marshmallow

 day」や「hypnosis」を初披露するサプライズもあり、2万8000人の観客のボルテージは最高潮に達した。

 ベテランも、抜群の歌唱力で観客を魅了した。4回目の出演となった小田は「予想していたより、ずっと熱くてびっくりしましたわ」と汗をぬぐった。大ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」や「グッバイ」などを歌った。大震災の復興をテーマにして小田が作った「その日が来るまで」を桜井と歌った。

 <歌詞>君が好き

 君が好き

 それを伝えたかったんだ

 遠くからずっと

 君を思っている

 サビ部分は2人でハーモニーを奏でた。観客も日本を代表するボーカリストの思いを込めた熱唱に聞き入った。

 同イベントは環境問題をテーマに05年から開催されてきたが、「震災復興に意義のあるものになれば」という桜井らの思いから、昨年は震災復興をテーマにした。今年はつま恋に加え、淡路(8月4、5日)とみちのく(同18、19日)でも初めて開催され、計17万人の動員を予定している。【横山慧】