関ジャニ∞が4日、千葉・幕張メッセで、8周年記念イベント「∞祭(はっさい)」をスタートさせた。2日間10公演で8万5000人が来場。10~12日にはインテックス大阪でも同イベントを行い、東京・大阪で約20万人を動員する。デビュー会見はレコード会社の屋上。出発は地味だったが、今はアイドル王国、ジャニーズ事務所でも、屈指の集客力を誇る人気グループに成長した。

 メンバー全員が大勢のファンで埋まった会場をしみじみと見渡した。「泣きそうだったよね」と突っ込まれた錦戸亮(27)は「グッとくるものがありました」。村上信五(30)は「ここまで大規模にできるとは思わなかった」と感慨深げな表情を浮かべた。

 今回のイベントはメンバーが企画、構成を担当。幕張メッセの全8ホールを借り切り、ライブステージ、トークステージ、軌跡をたどる展示会場など5つの会場を設けた。総面積は東京ドームがすっぽり入る5万4353平方メートル。大規模な滞在型イベントとなった。

 デビューは地味だった。嵐のデビュー会見は米ハワイ・ホノルル沖の船上だったが、関ジャニ∞は所属レコード会社が入った都内のビルの屋上。集まったのは約30人の記者だけだった。最年長の横山裕(31)らがスタッフに「嵐と待遇が全然違うじゃないですか」とこぼすほどだった。

 それでも、地道な努力を続けた。デビュー当初は関西が拠点。ライブを行っていた約1000人収容の大阪・松竹座を満員にするまで、3年はかかった。テレビで錦戸は「ご褒美で新幹線のグリーン席をもらった時、差額分で何かおいしいものが食べたいからと普通席に変えた」。丸山隆平(28)は「東京での仕事の際は新幹線に乗れる待遇ではなく、高速バスを利用していた」などと当時を振り返っている。

 新曲「ER」は発売第1週で売り上げが33万枚を突破する大ヒットに。全員主演映画「エイトレンジャー」が先月末に公開された。内博貴が未成年当時に飲酒騒動で脱退する事件もあったが、持ち前の明るいキャラクターとハングリー精神で、人気グループの地位を築き上げた。

 場内に展示されたJr時代の写真を見た錦戸は「頑張ったな」とつぶやきながら「関ジャニの歴史をさらに倍にできるようにします」と誓った。また、ラストで錦戸が「みんなの笑顔が銀メダルだよ」と冗談めかすと、横山が「金メダルだよ!」とすかさずフォロー。絶大な人気を得た今も、デビュー当時から変わらない絆を感じさせた。【近藤由美子】