俳優高嶋政伸(46)が妻のモデル美元(みをん=33)との離婚を求めた訴訟の判決で、東京家裁(小林愛子裁判官)は9日、「婚姻関係の修復は不可能」として請求を認めた。2人は出廷しなかったが、高嶋は関係者を通じて「とりあえずほっとしています」とコメント。控訴する可能性もある美元側は今後については検討中という。私生活を暴露し合う泥沼の争いはひとまず結論が出た形だが、控訴審となれば再び裁判が始まる。

 1年8カ月続いた離婚裁判の判決の言い渡しは、わずか30秒ほどで終わった。「原告と被告を離婚とする」。主文を読み上げる声を双方の代理人が聞いた。2分ほどで閉廷した後、代理人は家裁から出された書面に粛々と目を通していた。

 離婚は難しいという法曹関係者の見方もあった。高嶋はこの日オフだったが、担当の弁護士事務所を通じて「こちらの主張が認められて、ほっとしています」とコメントを発表。関係者によると、高嶋の声は明るかったという。一方、美元の関係者は「今後のことは検討中です」とだけ話し、控訴も含めて具体的なことは明言しなかった。

 私生活の“恥部”をさらけ出し合った今回の離婚裁判。そろって出廷し、ストーカー行為や暴力行為を暴露したこともあった。離婚したい高嶋、離婚を拒否する美元の主張が平行線をたどる中、争点は(1)結婚を継続できない重大な理由があるか(2)原告の高嶋に責任があって離婚を請求しているのかどうかの2点だった。家裁は「婚姻関係は修復不可能。破綻している」と判断した上で、婚姻関係を継続できない重大な理由があると認定。破綻の原因が高嶋にあるとは認められず、離婚請求の理由があるとして高嶋の主張を認めた。

 高嶋は6月1日の裁判で美元に暴力を振るわれ、別居後も美元がジムやホテルに押しかけて来てストレスを感じたと証言。「恐怖の対象でしかない。一緒にいると必ず体調を崩す。愛情は一切ない」としていた。さらに「芸能生活をなげうってでも離婚したい」と悲痛な覚悟を訴えた。

 控訴期間は2週間ある。美元側の決意しだいでは、再び裁判が続く。今回争われなかった慰謝料や財産分与をめぐる争いに発展する可能性が高く、関係者は「判決までに約半年かかることも考えられる」と指摘する。