<連載「気になリスト」(47)>

 昨年、漫才師日本一を決める大会「THE

 MANZAI」で参加1740組中、2位になったアルコ&ピース(平子祐希=34、酒井健太=29)の人気が急上昇している。大会ではコントのような漫才が爆笑をさらった。平子は「目をつぶってバットを振ったらたまたま二塁打になったようなもの。次に出たら三振かもしれない」と謙遜したが、2年連続で上位50組に選ばれるなど着実に力を付けている。今年の出場にも、酒井は「出ないとだめでしょう」、平子は「これで出なかったら、プチ勝ち逃げになる」と意欲を見せた。

 結成前は、別々のコンビ、トリオを組んでいた。同時期に偶然解散し、2人はピンに。平子は「男女がその場しのぎで寄り添ったら体が合ったようなもの」と言い、酒井は「最初にネタをやった時に間(ま)が合うなあと」。06年、正式にコンビを組んだ。

 取材中、ずっとニコニコしている酒井を横に、平子は淡々と相方への愛を語った。平子は「何年も一緒にいますけど、一番話が合う。一緒に買い物行って服を見立ててもらったり。相方の喜ぶ顔を見るのがうれしい。うちに来て、嫁がごはん作って一緒に食べることもありますよ」。真っすぐな愛情表現を聞き、酒井はやはりニコニコしている。

 現在2人は初の芝居「スマートモテリーマン講座」(東京・天王洲銀河劇場、~27日)に出演中。早くもお笑いの枠を飛び越えた挑戦だ。しかし無関係のジャンルではない。平子にお笑いを意識させたのは、山田洋次監督の映画「男はつらいよ

 寅次郎相合い傘」だった。「両親が爆笑していて、こういうお笑いもあるんだと衝撃でした」。その平子が主にネタを書いていることもあり、笑えるけど切ない、そんなストーリー性のあるコントも多い。

 今後の目標は、酒井が「(コントの大会)『キングオブコント』で決勝に行きたい」。2歳下の妻と1歳の息子がいる平子は「手堅く地方の営業を増やし、第2子を作りたい。嫁はかなりの美人。美貌に合った生活をさせてあげたい」。再び酒井が「僕のミスで、おむつが買えなくなるかもしれないので頑張ります」と応じた。【小林千穂】

 ◆アルコ&ピース

 平子祐希(ひらこ・ゆうき)1978年(昭53)12月4日、福島県いわき市生まれ、酒井健太(さかい・けんた)1983年(昭58)10月29日、川崎市生まれ。06年4月コンビ結成。由来は2人の名字から。酒からアルコール、平から平和(ピース)を連想。10年、酒井がフットサルを通じて太田プロダクション所属の土田晃之と親交があった縁で同プロ所属に。同年に初単独ライブ。11年にライブDVD「東京スケッチ」発売。(1月23日付

 紙面から)