ファッションデザイナーのドン小西氏(62)が、昨年末に心臓手術を受けていたことが13日、分かった。昨年11月にテレビ東京系「主治医が見つかる診療所」(月曜午後8時)の企画で心臓ドックを受け、心臓の血液が逆流しているという異常が判明していた。昨年12月22日に行われた手術は成功し、1カ月が過ぎた現在は主治医から「どこも悪くない」とお墨付きをもらっており、「すべてが調子良いよ」と笑顔を見せる。

 小西氏は昨年の心臓ドックで弁膜症だと判明した。心臓から送り出された血液は通常、「大動脈弁」を抜けて一定方向に流れるが、大動脈弁が傷み、弁の隙間から血液が逆流してしまうという病気だ。放置しておくと血管内側が傷つき、死亡率が90%を超える「急性大動脈解離」を引き起こす恐れがあると指摘された。

 実はここ数年、疲れがたまりやすく、足がむくみやすかったのだという。「苦労しながらがむしゃらにやってきた。めちゃくちゃな飲み方もしてきたから」。

 手術決断までに葛藤もあったが「このままテレビに出ている面白い人で終わりたくない」と決意。心臓の動きを一時的に止め、大動脈弁を切り取って人工弁に置き換える(人工弁置換術)手術を受けた。心臓の動きを止める手順を「死んでたんだもんね。三途(さんず)の川を渡って来たんだ」としみじみ振り返る。

 手術後、価値観に変化があった。「安い酒は飲まない。高い酒を少しずつ味わいながら飲んでいる。今後は何でもクオリティーを追求していきたい」。今後は「経験してきたものを生かしたい。教育の場や政治の世界もいいな。カーデザインや建築もやってみたい。みんなのためになることをやってみたいんだ」。手術の模様は18日放送の同番組で紹介される。

 ◆ドン小西(こにし)本名・小西良幸。1950年(昭25)10月9日生まれ。小西良幸デザインオフィス代表。東京、ニューヨーク、ミラノでコレクション発表。91年に毎日ファッション大賞、98年にファッションエディターズクラブのデザイナー賞受賞。ブランド「YOSHIYUKI

 KONISHI」などを手掛けた。バラエティー番組のファッションチェックのコーナーなどで人気を集める一方、名古屋学芸大学で特別講師を務めている。