昨年、年間平均視聴率3位(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と苦戦したフジテレビが1日、都内で4月改編記者発表会を行い、再浮上への改革案を発表した。看板報道番組「スーパーニュース」(月~金曜午後4時50分、関東ローカル)の放送開始時間を20分繰り上げ、同番組で13年間キャスターを務めた木村太郎氏(75)は今月いっぱいで降板。料理番組「アイアンシェフ」(金曜午後7時57分)も、今月で終了することになった。

 改革案の目玉は、「スーパーニュース」の改編だった。看板キャスターの1人だった木村氏の降板を発表。同局は「番組リニューアルに際しての出演者の刷新」と降板理由を説明した。NHK退局後、89年4月放送開始の「FNNデイトライン」にキャスターとして出演して以来、フジテレビのニュース番組を24年間支え続けてきた功労者だった。「スーパーニュース」では00年4月から出演しており、最後の出演は今月28日の放送で「木村総太論」というコーナーであいさつをする予定という。

 さらに番組開始時間も午後4時30分に繰り上げる。立松嗣章編成部長は「夕方のニュース戦争で時間が拡大してきた経緯がある。ニュース番組なので、早く情報を出していきたいから」と説明。現在、民放5局の夕方のニュース番組は同50分過ぎから始まる。20分繰り上げでニュース視聴者を早めに獲得する狙いだ。

 同番組は苦戦が続いていた。前日2月28日の視聴率は午後4時50分から同5時53分で3・9%、同5時54分から同6時59分までで7・5%。最近では前半が4%台、後半が7%台で推移していた。同時間帯のニュース番組ではテレビ朝日系「スーパーJチャンネル」が9%台後半で好調。立松編成部長は「民放でNO・1にしていかなければならない」と声を大にした。

 また、「料理の鉄人」の13年ぶり復活と位置付けられ、昨秋にスタートした料理番組「アイアンシェフ」もわずか半年で終了することとなった。1ケタの視聴率が続いたことが理由で今後は特番化していくという。後継番組は情報バラエティー「人生の正解TV~これがテッパン!~」となる。

 同局は昨年、年間視聴率で32年ぶりに全日、ゴールデン、プライムタイムの3部門で民放3位に低迷。立松編成部長は「反省すべき点が多くあり、それを1歩ずつ修正していきます」と立て直しを誓った。

 [2013年3月2日7時49分

 紙面から]日刊スポーツのオススメ