昨年の「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞した井頭愛海(いがしら・まなみ=12)が映画デビューすることが3日、分かった。国民的ドラマの映画化「おしん」(冨樫森監督、10月公開予定)で、ヒロインおしんの2度目の奉公先となる米問屋「加賀屋」の娘、加代役に抜てきされた。

 ドラマ「おしん」は83年4月から翌84年3月まで放送されたNHK連続テレビ小説。井頭は「その時は両親も6歳ぐらいで見ていなくて、おじいちゃんが見ていたそうです。すごい視聴率だったと聞いています」という。それでも作品の大きさは実感している。今年2月上旬、映画化が発表されると、自宅の近所で話題になっていたという。「その時は、まだ『私が出る』って言えなかったんですけど」。

 クリッとした目と、胸まで伸びる長髪が印象的な小学6年生。映画「ハリー・ポッター」シリーズの英俳優ダニエル・ラドクリフ(23)の演技に感動し「私もそういう仕事をやってみたい」と芸能界を目指した。今は大阪から週末に上京してレッスンの日々だ。所属するオスカープロモーションのタレントで結成したガールズユニット「X21」のメンバーでもある。

 演技経験はないが、懸命に役作りに取り組んでいる。今年1月、物語の舞台となる山形に行き、庄内弁の指導を受けた。「お母さんとは、電話で『バイバイ』と言うところを、庄内弁で『しぇばの』って言ってます」。作品では、当初おしんを嫌っている設定。そのため、山形にも、おしん役の浜田ここね(8)と一緒に行ったが、顔を合わせないように、食事の時間をずらしていたという。

 今月から撮影に入る。「ドラマに出ていた子たちよりうまく演技できるよう頑張っていい作品を作りたいです」と意気込んでいる。【森本隆】

 ◆映画「おしん」

 橋田寿賀子さんの原作・脚本。山形の貧しい農家に生まれたおしんが、7歳で子守奉公に出て数々の試練に耐える。NHK連続テレビ小説ではおしんの幼少期を小林綾子、その後を田中裕子、乙羽信子が演じ、平均視聴率52・6%を記録。海外59カ国で放送された。今回の映画版では、おしんを浜田ここね、おしんの母親を上戸彩が演じる。ドラマに出ていた泉ピン子、小林綾子も出演する。

 [2013年3月4日8時2分

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