歌手華原朋美(38)は11日、福島・郡山女子大で開かれた「福魂祭」に出席した。犠牲者の鎮魂と、福島の今を発信しようと開かれたイベント。華原はヒット曲「I

 BELIEVE」「I’m

 proud」を歌い、「皆さんの応援でまた歌えるようになったので、元気になってもらえる歌を歌っていきたい」と話した。

 小雪舞う郡山にハイトーンボイスが響いた。被災地で歌うのはこれが2度目だった。昨年12月の芸能活動再開後、岩手・大船渡市の仮設住宅で暮らす同名の「ともみさん」からファンレターが届いた。「自宅は流されてしまったけれど、車の中に朋ちゃんのアルバムが残っていました」。

 華原は2年前の震災当日は心の傷や薬物依存の治療のため、父親が住むフィリピンにいた。「当時は私もまだ元気じゃなかったので、いつか自分が元気になったら歌でお手伝いさせていただきたいと思っていました」。健康を取り戻した今年2月、カラオケ設備を搭載したトラックで、ともみさんの住む仮設住宅や同県陸前高田市を訪れ、この日と同じ曲を歌った。

 芸能界復帰まで、家族はもちろん、周囲の存在が心の支えだった。この日は会見で「傷を負った方に『頑張って』ときれいなことは言えない。親身に聞くことが大事だと思います。私もそうやって元気になれたので」と話した。「兄が福島によく来ているんです。その時にまた一緒に来て、歌うチャンスがあったら」。これからも自分が出来ること、大好きな「歌」で応援し続ける。【今西孝江】