黒柳徹子(79)が5月末で閉館する東京・銀座の劇場「ル・テアトル銀座」の最終公演に主演することが11日、分かった。「ステラとジョーイ」(5月29~31日)で、これまで数々タッグを組んできた演出家で俳優の高橋昌也(82)との2人芝居となる。

 黒柳はル・テアトル銀座がセゾン劇場として87年に開場した2年後の89年「レティスとラベッジ」から同劇場で「海外コメディーシリーズ」を上演してきた。「声もよく通り、観客と一体化できたし、楽しい芝居にあった劇場でした」。

 最終公演となる「ステラとジョーイ」は英国の劇作家バーナード・ショー氏と舞台女優ミセス・パトリック・キャンベルが40年にわたって交わした往復書簡を題材にした愛と友情の物語。「激しく言い合う場面があったり、ドラマチックにできている。前からやりたかった作品で、翻訳も頼んでいました」。

 黒柳は、同劇場でマリア・カラスが主人公の「マスター・クラス」をはじめ、数々の名舞台に主演してきた。「カラスやキュリー夫人など実在の有名人をやったり、ホームレスやセクシー女優役などいろいろな格好もした。共演した方には山岡久乃さん、フランキー堺さん、岡田真澄さんと亡くなった方もいます」。

 実はセゾン劇場時代にもさよなら公演の舞台に立った。99年11月にマレーネ・ディートリヒを演じた「マレーネ」で最終公演を行ったが、その後に存続が決まり、劇場は翌00年4月にル・テアトル銀座として再スタートした。「『今日でお別れ』というセリフもあって、千秋楽はカーテンコールが30分も続いた。親しんだ劇場がなくなるのは寂しいし、今回も劇場として続けてくれないかしら」と、どんでん返しを期待している。【林尚之】