宮沢りえ(40)が主演する蜷川幸雄氏(77)演出の舞台「盲導犬」(6~28日)の公開稽古が5日、東京・渋谷シアターコクーンで行われた。73年初演の唐十郎(73)作品。思い出をコインロッカーに封印された女を演じる宮沢は、真っ赤な洋服姿で登場。不服従の犬を探す男(古田新太)を挑発して下着を脱ごうとして脚線美があらわになる場面もあった。宮沢は「初日前はドキドキするけれど、今回はドキドキだけでなくザワザワと興奮しています。大好きなアングラの世界に、少しでも近づいて全身どっぷりと染まりたい」。

 5月の舞台「おのれナポレオン」で心筋梗塞で降板した天海祐希(45)の代役を務めて話題になった。今回の稽古場でも古田から「日本最後のアングラ女優」という言葉を贈られたという。宮沢は「発見が怒濤(どとう)のようにある。見え隠れしている部分も劇場の温度が上れば溶けて見えてくるだろうし発見の毎日だと思う。アングラの狂気、愛、切なさを吐き出したい」。蜷川氏は「稽古場では『りえちゃん、セクシー』とか言っている。何分かに1度は驚く、ド派手な舞台になる」。

 ◆アングラ演劇

 60~70年代に席巻した小劇場運動で「アンダーグラウンド」の略。寺山修司さんの天井桟敷、唐十郎の紅テント、佐藤信の黒テント、串田和美の自由劇場があり、代表的アングラ女優に李麗仙、新高恵子、吉田日出子、白石加代子がいる。