8月6日初日予定だった土屋アンナ(29)の初主演舞台「誓い~奇跡のシンガー」の公演中止問題で、舞台原案「日本一ヘタな歌手」の著者浜田朝美さんが30日のブログで「舞台化は許可していない。アンナさんは無実」と擁護した。前日29日、制作側が土屋の稽古不参加を理由に中止を決めたと発表し、土屋側は「事実無根」と反論していた。浜田さんの擁護発言に対して制作側は「許可は得ている」と主張し、土屋に対する法的措置の準備を進めているという。

 舞台の原案となった「日本一ヘタな歌手」の著者、浜田さんは「アンナさんは無実です」とブログにつづった。制作側が「正当な理由もなく稽古に参加せず、そのため公演中止になった」と発表したことについて「まったく事実無根です」と完全否定した。

 自分には舞台化を許可した認識がなく、5月に行われた制作発表の1週間前にネットを見た友人から公演実施を知らされて驚いたという。数日後に著書の出版元、光文社の担当者と舞台の演出家から事情説明を受けた際、1年半前に都内で路上ライブしていた時、担当者から「今後何か協力してくださるかも知れないから」と言って演出家を紹介され、「よろしくお願いします」とあいさつしたことが、舞台化を許可したことになっていたと知ったという。

 同著は、障がいに負けず歌手活動を続ける浜田さんの自伝。浜田さんは、抗議したが受け入れられず、演出家から「そんなに許可と言うなら、別にあなたでなくても、障がい者はたくさん世の中にいる。違う人に頼んでもいい」と言われたという。

 担当者が間に入り、台本を見た上で判断することになったが台本は届かず、今月16日に関係者が集まる会合が開かれ、その場で初めて会った土屋に相談した。その後、土屋が「原作者が納得し、許可した舞台でないのなら、出演できません」と制作側に伝えた。浜田さんは制作側が発表した公演中止の経緯を「デタラメ」としており、「こんな発表の仕方はあり得ない」と批判した。

 制作側は「浜田さん、光文社の担当者、浜田さんの代理人の弁護士と会い、舞台化の許可を得ている。許可もなしに公演することはない」と再度反論。制作側の代理人の伊藤芳朗弁護士は「土屋さん、浜田さんは事実を曲げている。予定通り、損害賠償請求を含む法的措置の準備を進めます」と話した。両者の主張は真っ向から対立しており、法廷の場で争われる可能性も出てきた。