俳優堺雅人(39)が銀行マンを演じるTBS系ドラマ「半沢直樹」(日曜午後9時)の11日放送第5話の平均視聴率が29・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した(関西地区は29・5%)。初回の19・4%から1度も下がることなく、約10ポイント上昇。2011年10月期に放送され、最終回で40・0%を記録した日本テレビ系「家政婦のミタ」を上回るハイペースだ。

 「半沢-」の視聴率が、初回から上がり続けている。第5話が放送された11日はお盆休みに入ったばかり。遠出をしたり、通常の日曜日とは違う過ごし方をする人が多く、連続ドラマには厳しい日程とみられていたが、30%目前の29・0%を記録した。瞬間最高視聴率31・9%はドラマ終盤、断続的に3回記録した。

 半沢の決めぜりふは「やられたら、やり返す」。初回は19・6%のテレビ朝日系「DOCTORS2

 最強の名医」に敗れたが、2話以降は他の7月期連続ドラマを圧倒する強さを見せつけている。第3話は同時間帯にサッカー東アジア杯の日韓戦が重なった。しかも、前週は参院選特番でスキップしたため2週間ぶりの放送。見続けている視聴者のリズムが崩れるので、放送を1週休むと視聴率が下がることはよくあるが、1・1ポイント上昇。4話ではグンと4・7ポイント上昇した。

 初回から5話までの約10ポイントの上昇は、松嶋菜々子主演の大ヒットドラマ日本テレビ系「家政婦のミタ」を上回るハイペースだ。「ミタ」の初回は、「半沢-」とほぼ同じ19・5%、微増、微減を繰り返し、5話では22・5%だった。話が進むにつれ、ミタのなぞや「承知しました」のせりふが話題になり、最終11話で40・0%を記録したが、29%を超えたのは8話だった。

 「半沢-」には「-ミタ」超えも期待されるが、壁はまだある。次回放送は、「世界陸上」の中継のために1週休みが決定。しかし、局内の期待は大きい。6話からは半沢が栄転した東京中央銀行本部が舞台になり、さらにスケールアップした案件に、半沢たちが奔走する姿が描かれる。TBSの宣伝担当者は「局内も盛り上がっています。25日は25分拡大で放送します」と話している。

 ◆「半沢直樹」

 直木賞作家、池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作。型破りな銀行マンが銀行内外の敵と立ち向かう。大阪が舞台の1~5話では、半沢が5億円の不良債権回収に奔走し、支店長らと戦った。東京が舞台になる6話からは、120億円もの損失が出ることが分かった老舗ホテルの経営再建などを任される。10話で終了予定。ドラマ人気もあり、今月7日までに原作(2作)の売り上げは、計150万部を突破した。