ビートたけし(66)の隣で全国デビューする幸運な女性アナウンサーがいる。静岡朝日テレビの牧野結美アナ(23)が、テレビ朝日系特別番組「たけしの富士山大研究

 大噴火20XX」(22日午後2時、関西地方は23日午後2時放送)でアシスタントを務める。京都の同大時代に「ミスキャンパス同志社」のグランプリに輝いた美貌が注目され、地方局の入社2年目ながら写真誌や週刊誌のグラビアに掲載された。ただ、本人は複雑で「少しでも早く、アナウンサーとして認められたいんです」と戸惑ってもいる。

 それもそのはず。取材は同番組収録直後で、少しショックを受けていた。地元でもまだ、リポーターが主な仕事なのに、初の全国放送で超大御所のたけしを相手にした。番組テーマは、世界文化遺産に登録された富士山の噴火を想定した壮大なスケールだ。基礎知識をたたき込み、何度も台本を読んで、気の利いたコメントを盛り込もうと準備して迎えた本番。隣のたけしは、机上に1ページ目を開いた台本をめくる気配がない。アドリブに加え、シモネタギャグまで交えていく。共演した火山学の京大教授も押しが強く、たけしと2人で脱線。そうかと思うと、いつのまにか結論に導かれ、たけしがめくることのなかった台本以上の、中身の濃さになっていた。

 「何もできませんでした。たけしさんのすごさを実感しました」

 全国番組という初陣を終えた牧野アナについて、たけしに聞くと「2回かんでたね」と失敗を暴露した。その一方、少し小声で「きれいな人だし、チャンスがあれば私も噴火したいです。休火山ですが」とシモネタの餌食にもした。ある意味、最高の激励と褒め言葉をもらった牧野アナ。もともと、話すことが苦手でアナウンスを勉強した負けん気の強さがある。「最高の刺激を受けました!!」と笑顔を取り戻し、間違った2カ所を、あらためて撮り直した。

 静岡以外の人には、同番組は「将来が気になるアナ」に会える貴重な機会になる。【久我悟】

 ◆牧野結美(まきの・ゆみ)1990年(平2)1月18日生まれ、大阪出身。大阪桐蔭高時代は、日本ハム中田翔外野手と同期。同大時代はフラダンスやラジオのサークルで活動、お天気キャスターも務める。テレビ局14社を受験し、12年に静岡朝日テレビに入社。「とびっきり!しずおか」でリポーターを務める。血液型B。初の全国放送に「大阪の家族や友達に見てもらえるのがうれしい」。