名古屋、岐阜、三重の19日付朝刊各紙のテレビ欄を、縦に読むと「半沢直樹最終回」などと読める珍現象が発生した。TBS系列のCBC中部日本放送(本社・名古屋)がこの日放送のプロ野球中継の番組欄に一工夫して、22日に最終回を迎えるTBS系ドラマ「半沢直樹」(日曜午後9時)をPRしたもので、ネット上で大きな話題になっている。

 新聞のテレビ欄は横に読むのが通常だが、19日の日刊スポーツに掲載されたCBCの欄を縦に読むと、思わぬメッセージが潜んでいた。午後7時放送開始のプロ野球「中日-巨人」の欄で、解説者の名前に続き、試合の見どころが「半端な試合はしない!」の文章で始まっている。2行目は「沢村VS浅尾…」、3行目は「直球勝負…」、4行目は「樹立した鉄腕…」となっており、縦に頭文字だけを読むと「半沢直樹」となる。続く3行の頭文字と最後の1行を横に2文字読むと「半沢直樹最終回SP」となっていた。

 本紙だけでなく、中京地区の朝刊はいずれも同様な状況で、新聞によっては「半沢直樹見逃すな」となっており、気づいた読者の投稿をきっかけに、ネット上の話題にもなっている。

 これはCBC局員の愛社精神と遊び心あふれる仕掛けだった。テレビ欄の原稿は、各局とも番組担当者が書いており、同局関係者によると、該当する欄は同局スポーツ部の30代女性が手掛けていた。中日ファンに少しでも興味を持ってもらおうと知恵を絞ったところ、悪ふざけにならない程度に、人気ドラマにあやかったものだ。同時に22日に最終回を迎えるドラマを後押しする狙いも込められた。新聞によって文章が違うのは、文字数の違いの関係で3パターンを作製したからだという。

 同ドラマは銀行を舞台に、同僚との友情も描いている。TBSの宣伝担当者は、この日まで系列局の後押しを知らなかったというが、「楽しく盛り上げてくれてますね。半沢直樹現象が全国を駆け巡っているのを実感します」と話している。注目は2011年10月期の日本テレビ系「家政婦のミタ」がマークした40・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)超えだが、ここにきてCBCのナイス番宣。話題は全国区になり、いいムードになってきた。