落語界きっての二枚目、三遊亭王楽(36)が今年2月に結婚していたことが10日、分かった。相手は歌舞伎俳優片岡孝太郎(45)の番頭を務めていた女性(32)で、今年6月には男児も誕生している。

 王楽は09年に亡くなった5代目三遊亭円楽さんの最後の弟子。日本テレビ系「笑点」などでおなじみの三遊亭好楽(67)の長男だ。これまで独身を通してきたが、11年10月に孝太郎のもとでチケット管理などを行う番頭の女性を紹介され、交際を始めた。

 王楽は「去年はデートで50、60本の映画を見に行った。それまでは気を使うのは嫌なので、映画は1人で見るか、映画マニアの友人としか行かなかった。でも彼女は気を使わないで済むし、一緒にいて楽しかった」という。昨年6月に「(結婚)しますか」とプロポーズし、その4カ月後の10月に父好楽にも紹介。今年2月に都内のホテルで結婚披露宴を行った。

 王楽は「家で稽古をしていても、かみさんがいると緊張してできる。『そこ、おかしくないかな』と、いろいろと言ってくれる」と内助の功に感謝している。「独身の時は怠けるタイプだったけれど、結婚して、俺の稼ぎで養わないといけないと責任を感じるようになった」と一家のあるじの自覚も芽生えたという。

 今年6月に第1子となる男児が誕生した。王楽の本名「一夫」は好楽の師匠の8代目林家正蔵(後の彦六)が命名した。王楽の師匠先代円楽は亡くなっているため、師匠代わりの春風亭小朝(58)が男児の名付け親になり、「王」を入れた「理史(さとし)」と命名した。「後を継がせるとかは考えていません。独身時代と違い、1つ1つの仕事の接し方や仕事への覚悟も変わってきた」。3年後の落語家生活15周年には大きなイベントを行う予定。夫となり、父となった王楽のさらなる飛躍が期待できそうだ。【林尚之】

 ◆三遊亭王楽(さんゆうてい・おうらく)1977年(昭52)11月7日、東京都生まれ。駒大英文科卒業後、01年5月に5代目三遊亭円楽に27番目の弟子として入門、王楽を名乗る。04年5月に二つ目昇進。08年にNHK新人演芸大賞落語部門大賞を受賞。09年10月に真打ち昇進。