歌手美川憲一(67)の前所属事務所のエービープロモーションが12日、公式HPで、美川とオフィスミカワに対して、専属契約の一方的破棄の債務不履行に基づく損害賠償などで2億1125万7464円(美川個人には1億9349万5103円)を求め、東京地裁に提訴したことを発表した。

 同HPによると、美川は昨年9月5日、同社の承諾がないまま独立を断行、経済的な損失を被らせた上に、美川が報道機関に名誉を毀損(きそん)する発言をしたとしている。さらに、独立後も「美川憲一」の名称を使用して芸能活動を続け、同社資産の衣装や楽曲譜面を無断で持ち出して使用しているなどと主張。損害賠償金の他には、「無断搬出の衣装に関する使用、複製、譲渡、貸与」「無断搬出の楽曲譜面に関する演奏、複製、譲渡、貸与」などの禁止を求めており、芸名「美川憲一」の使用禁止は求めていない。

 美川の所属事務所は日刊スポーツの取材に「訴状が届いていないのでコメントできない。対応は弁護士に相談します」としているが、独立を発表した昨年9月の会見で美川は、独立理由としてギャラの未払いやスタッフへの給料遅配などを列挙。「こんなことになって申し訳ないと思っていないの?」と問い詰めると、エービープロ社長は謝罪をした、と説明していた。