歌手福山雅治(44)が14日、パシフィコ横浜でライブ「冬の大感謝祭」ツアーの初日を迎えた。ソロ歌手として、同一会場では最長記録の10日間公演を行い、計18万人を動員する。今年は主演映画「そして父になる」でカンヌ国際映画祭審査員賞に輝くなど、俳優としてめざましい活躍を遂げた。来年の初ドームツアーと初アジアツアーを発表。デビュー24年目、歌手として新たなステージに立つ。

 「150曲のレパートリーから選んだ音楽のフルコースをご用意しました。日本独特の心遣いで。そう、ご一緒に。実にお・も・て・な・しっ」。約1万8000人のファンといきなりの大合唱で、“つかみはOK”。単独では今年初ライブとあって気合十分だ。今年発売の「誕生日には真白な百合を」や「Dear」などを名刺代わりに、全21曲を3時間で歌いきった。

 今年は俳優として大きな飛躍を遂げた。10月公開の主演映画「そして父になる」でカンヌ国際映画祭の審査員賞、バンクーバー国際映画祭の観客賞などを受賞。国内でも第35回ヨコハマ映画祭で主演男優賞を獲得するなど、国内外で「俳優福山」を強く印象付けた。

 来年は歌手活動中心に大きくかじを切る。「積もり積もった皆さんへの感謝の気持ちを音楽で倍返ししたい」と3年ぶりの全国ツアーを決断。4月5日の東京ドームを皮切りに、5大都市のドームなど14公演で50万人以上を動員する。5大ドーム公演は桑田佳祐、小田和正らがやっていて、肩を並べることになる。01年には東京と大阪ドームで計4公演をしている。13年ぶりのドーム復帰に「前回は2カ所だけ。今回は3倍返し」と笑わせた。

 6月には初の海外ツアーとして台湾・香港にも飛びアジアツアーを実施。今夏、主演映画「真夏の方程式」のイベントで訪れた同地で熱烈歓迎を受けて感激し、ファンと再会を約束していた。早くも実現にこぎつけることになる。福山は「アジアへのお・も・て・な・し」とアピールした。

 今ツアー最終日となる31日には、日本全国と香港、台湾の57の映画館で年越し公演のライブビューイングも実施する。アジア全体を見据えながら13年を締めくくり、14年の幕開けを迎える。

 この日も、甘いマスクと語りかけるような歌声で、多くの女性の心をわしづかみに。初のドーム&アジアツアーの発表は、会場を埋め尽くしたファンへの一足早いクリスマスプレゼントになった。【松本久】