<連載「気になリスト」(41)>

 歌声は澄んだ高音、パンチも効いている。4日のフジテレビ系「FNS歌謡祭」でmiwa(23)とデュエット、8日の同局系「新堂本兄弟」で堂本ブラザーズバンドをバックに気後れすることなく歌った。「あのコは何者?」とネット上で話題になった。公開中の映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(小泉徳宏監督)でヒロインを演じた大原桜子(17)は応募約5000人から選ばれた。現在高校3年生。「友達に『桜子はリコちゃんそのままだね』と言われたのがきっかけでした」と応募当時を振り返る。原作は漫画家青木琴美さん(33)の新作。手にしたのは友人に聞いてからだった。リコは敏腕プロデューサーとの偶然の出会いからチャンスをつかむシンデレラガール。自分の境遇にそのまま重なる。

 映画の音楽プロデューサーは椎名林檎、平井堅らを手掛ける亀田誠治氏(49)。監督、原作者も加わった選考で、その歌声に全スタッフが息をのんだ。「決まった時は頭が真っ白になって涙が止まりませんでした」。だが、高校生らしい感情の吐露はそこまで。撮影までの3カ月でギターをマスター。「小学生の時にクラシックの声楽を習っただけ」の声をボイストレーニングで磨いた。小顔マッサージ、炭水化物抜きのダイエット。持ち前の度胸で演技も日増しに輝き始めた。主演の佐藤健(24)は「途中から新人女優さんとやっているという感じは全くありませんでした」という。大原は「友達から『すごいうるさい!』と声の大きさ、嫌がられるんですけど、セーブの仕方が分からない。泣く場面ではリハーサルから涙をどんどん出してしまって、監督から『まだ出さないで!』と怒られました」。

 来年春から大学の演劇科への進学が決まっている。「舞台やアクションをやってみたい」と屈託がない。【相原斎】

 ◆大原桜子(おおはら・さくらこ)1996年(平8)1月10日、東京都生まれ。11年から始まった「リコを探せ!

 オーディション」で約5000人の中から選ばれた。劇中のバンドMUSH&Co.そのままのCDシングル「明日も」を4日に発売。158センチ。