第55回日本レコード大賞が30日、東京・新国立劇場で発表され、EXILEが「EXILE

 PRIDE~こんな世界を愛するため~」で大賞に輝いた。4度目の受賞は史上最多。今日31日のNHK紅白歌合戦を最後にパフォーマーを引退するリーダーHIRO(44)は、総合司会を務めた妻で女優の上戸彩(28)から祝福も受け、感極まっていた。

 放送終了後だった。「何で安住さんが泣いてるんですか?」。上戸が一緒に司会を担当したTBS安住紳一郎アナ(40)に突っ込んだ。それまでHIROの近くに立とうとしなかった上戸だが、今度は安住アナから「上戸さんからも祝福のひと言を」と促され、「HIROさんのステージを生でもう見られないと思っていたので(司会を務められて)皆さんに本当に感謝します」。安住アナから「ご主人の目を見て『おめでとう』を言って。恥ずかしがる年じゃないでしょうよ」と畳み掛けられると「何なんですか、その~」と照れた。

 ほほ笑ましいやりとりの流れで自然にHIROとの距離も近くなる。客席にいたAKB48の高橋みなみ、大島優子が両手を上げて「やれ~やれ~」とけしかける。上戸は「ありがとうございます」と言うとHIROにマイクを向けた。HIROは「素晴らしい最高のアーティストの皆さんがいる中で僕らが選ばれて本当に光栄。来年から、必ずまた輝いて、今以上のEXILEになろうと思うので、よろしくお願いします」と声を弾ませた。ステージに幕が下りる際、放送中は終始笑顔だったHIROも感極まったのか、何度も目頭を押さえた。

 グループ初の100万枚を突破した「EXILE

 PRIDE」で史上初の4度目の大賞に輝いた。全国ドームツアーも102万人を動員。パフォーマー引退の節目の年に次々偉業を達成した。

 昨年9月に結婚した上戸と同じ舞台に立つのも初めてだった。仕事どころかツーショットすら披露したことはなかったが、数日前に「実は3年前から一緒に住んでいました。お互いの仕事上、気を使わないといけない部分があるので、言えずにいましたが。責任がありますから。結婚して家族を普通に幸せにしたいけど…」と明かした。

 2人で暮らし始めた10年夏、HIROは前年にメンバーを7人から14人に増やしてファンの間で賛否両論が起こった「EXILE第3章」を軌道に乗せようと必死だった。もくろみ通り、グループはスケールアップし、今年春に自分がステージを降りる決意をするまでに成長した。上戸も昨年はヒロインを演じた映画「テルマエ・ロマエ」が大ヒット。今年は出演したTBS系ドラマ「半沢直樹」が高視聴率を記録。ともにこの3年間を転機にするように結果を出し、晴れの日を迎えた。

 受賞発表直後、メンバーの前を横切る上戸は遠慮するように身をかがめた。主役はEXILEのメンバーだから。そんな内助の功を受け、HIROは今日31日のNHK紅白歌合戦で最後のステージに立つ。【松本久】