昨年大みそかに放送された「第64回NHK紅白歌合戦」の平均視聴率が2日、ビデオリサーチから発表され、第2部(午後9時~同11時45分)が、関東地区で44・5%(関西43・8%)を記録した。前年12年の数字を2ポイント上回り、最近10年では最高。TBS系ドラマ「半沢直樹」最終回の42・2%(関西45・5%)を2・3ポイント上回り、13年の視聴率首位争いを制した。1部(同7時15分~)も前年を3・7ポイント上回る36・9%(関西36・8%)だった。

 紅白歌合戦が、絶対に負けられない戦いを制した。

 13年はTBS系ドラマ「半沢直樹」が、同9月22日放送の最終回で、平均視聴率42・2%を記録し、紅白放送前まで13年の平均視聴率首位だった。12年の紅白の42・5%(関東地区2部)に0・3ポイントと僅差。今回、紅白の首位の座が危ぶまれていた。結果は44・5%と、04年以降、最近10年の紅白では最高の数字を記録。「半沢直樹」を2・3ポイントも上回った。

 04年以降、紅白はボクシングの世界戦やW杯などスポーツの国際試合以外に年間視聴率トップの座を譲ったことはない。何とか面目を保った形だ。

 勝因は、出場50回を数える北島三郎の紅白引退や、「じぇじぇじぇ」の流行語を生んだ人気ドラマ「あまちゃん」の企画コーナーなど話題が豊富だったことが挙げられる。主要キャストの芝居の他、2部では能年玲奈と橋本愛、小泉今日子、薬師丸ひろ子がリレー形式で「潮騒のメモリー」を歌い視聴者を引きつけた。

 極め付きは、大島優子のAKB48サプライズ卒業発表。会場のNHKホールも騒然となり、視聴者にも衝撃を与えた。AKB48は例年、1部に出場だった。今回は大トリ北島や「あまちゃん」の歌同様に2部。数字を意識したNHKの作戦がかいま見え、功を奏したようだ。

 NHKには視聴者から「今年の紅白はみんな頑張ろうという気持ちになる番組だった」「感動した。最後に北島三郎さんが歌い、紅組、白組、みんなでという感じがあってうれしかった」「『あまちゃん』企画は人の心にしみる、みんなを元気にするものだった」など、好評の声が多数寄せられたという。

 一方、紅白と同時間帯の民放番組(関東地区)は、日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しSP!!」の第1部(午後6時半から2時間半)が、06年から続く同特番の歴代最高となる19・8%、第2部(午後9時から3時間半)が17・2%。TBS系「年またぎスポーツ祭り!KYOKUGEN2013」の午後8時31分からの放送部分(59分間)が14・5%だった。