英ロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズが26日、東京ドーム3日間公演「14

 オン・ファイアー

 ジャパン・ツアー」(日刊スポーツ新聞社ほか主催)をスタートさせた。8年ぶり6度目の日本公演だが、ミック・ジャガー(70)はひ孫誕生間近とは思えないほど、鍛え上げられた肉体と激しいシャウトを披露。ロン・ウッド(66)はたばこをくゆらすなど、破天荒なイメージは健在だった。

 最初からアクセル全開で飛ばした。予定から30分遅れで開始。ファンは「予定通り」とばかりに、繰り返し手拍子を送りながら登場を待った。オープニング曲「GET

 OFF

 OF

 MY

 CLOUD」は日本初披露。イントロが流れた瞬間、5万人のファンが大歓声を上げた。

 年齢を全く感じさせない。平均年齢69・5歳。ミック・ジャガーはひ孫が誕生間近だ。東京ドーム公演は90年の初公演から26回目。海外アーティストとして同所公演は最多となる。今回のツアーは21日のUAE・アブダビ公演から開始した。来日した23日から3日間、チャーリー・ワッツ(72)が東京・原宿にウインドーショッピングに出掛けた以外、他メンバーは外出せず、ホテルで静養。万全の態勢で迎えた日本公演初日だった。

 自信からなのか、体力温存なのか。ミックだけはリハーサルを行わず、ぶっつけ本番で臨んだ。両手を突き上げ、何度も跳び、序盤で黒いジャケットを脱ぎ捨てた。スリムパンツをはきこなし、シースルーの衣装からは厚い胸板がのぞく。両手を突き上げ、全長80メートルのステージを端まで走った。曲の合間に時々「ワォ!」とほえた。体を鍛え続けているからこそ、パワフルさは変わらない。ロン・ウッドは禁煙のはずの東京ドーム内ステージでたばこを吸うなど、破天荒ぶりも健在だった。

 破格スケールも健在だ。セット機材は11トントラック60台で持ち込んだ。警備員は日本人の同所公演の3割増にあたる1500人が配置された。3月4、6日と東京ドーム公演を開催。同所で今週末にはプロ野球オープン戦が組み込まれているため、いったんセットを解体。オープン戦終了後、再び大規模セットを組み直す。

 スペシャル感も満載だった。ネット上でリクエスト曲を募集し、この日は「BITCH」を披露。アンコールの1曲目は日本人合唱団をバックコーラスにした。ミックは片言の日本語で何度も語り掛けた。「ドウモアリガトウ」「ミンナ、サイコウ!」「ミンナニアイタカッタ」「ヒッサシブリ」…。動物の耳をつけたコスプレ女性ファンを見つけると「チョーカワイイネ」とウインクした。

 約2時間で20曲を披露。ラストの「SATISFACTION」が終わり、全員でつないだ手を高々と上げた。「サンキュー、トーキョー」。メンバーが去った後も、観客のざわめきは止まらない。余韻を残したまま初日公演を終えた。【近藤由美子】