英歌手ポール・マッカートニー(71)が東京・国立競技場公演(日刊スポーツ新聞社ほか主催)を開催することが26日、分かった。5月17、18日に行う。昨年11月に11年ぶりの来日公演を行ってファンを熱狂させたばかりだが、まさかの早期の再来日が決まった。5度目の来日公演で野外は初めて。同24日に大阪ヤンマースタジアム長居で公演も行う。3公演で約15万人を動員する予定だ。

 ポールは、昨年11月に日本公演を行い、6公演で26万人を動員した。スーパースターが去ったむなしさを感じるファンの間で「ポールロス」という言葉が生まれるほど、11年ぶりの来日公演は盛り上がった。熱狂からわずか半年。ファンが歓喜する日本3公演が決定した。

 国立競技場は20年東京五輪開催を見据え、6月から改修工事に入る予定。今年は多くのアーティストが公演を行う。「ポールの手でも国立の最後を飾ってほしい」という主催者側の思いと「すぐにでも日本に帰りたい」というポールの思いが一致。早期の日本公演が実現した。昨年の東京ドーム公演最終日に「マタ、キマス」と言った約束を守った形となった。

 ポールは昨年、日本を含め32公演を行う世界ツアーを行った。今年も4月19日にウルグアイからツアーをスタート。既に南米6公演を発表している。昨年の日本公演では日本初披露曲も含め、ビートルズのヒット曲を20曲以上披露。往年のファンも若いファンも喜ばせた。昨年から曲目と演出を変更する予定で、新たなステージを展開する。

 今回の日本3公演は全て野外ステージで行う。日本では初めてだが、野外には深い縁がある。08年にニューヨークのシェイスタジアムの最後を飾る公演を行った。熱いライブは今も「奇跡の夜」と呼ばれ、ファンの間で伝説として語り継がれている。日本でも「奇跡の夜」が期待される。

 国立競技場公演はハードルが高い。芝の養生問題でこれまでは原則、年間1組に限定してきた。改修工事直前でこの問題はなくなったが、公演を実現できたのは集客力のある大物アーティストに限られていた。

 海外アーティストとしては、改修前の国立最終公演となる。海外アーティスト初の単独公演、ソロ歌手初公演、史上最高齢での開催などと、ポールは今回、数々の記録を国立に刻む。12年ロンドン五輪開会式のパフォーマンスは世界を魅了した。音楽界のレジェンドは、日本の五輪の聖地にも足跡を残すことになる。