SMAP木村拓哉(41)が、7月スタートのフジテレビ系連続ドラマ「HERO」(月曜午後9時)に主演することが25日、分かった。01年に連続ドラマとして放送されて高視聴率を記録し、映画も大ヒットした作品で、13年ぶりの連続ドラマ化。共演者は大幅に入れ替わり、新たなメンバーによる群像劇が展開する。

 物語は木村演じる型破りな検事の久利生公平が、前回の連続ドラマの舞台になった東京地検城西支部に戻ってくることから始まる。松たか子、阿部寛、大塚寧々らが演じた同支部の個性的なメンバーは一新。久利生に振り回されながら成長する事務官を北川景子が演じるほか、浜田岳、杉本哲太、吉田羊、松重豊らが新しく共演に名を連ねる。同局は、共演者一新の理由を「異動や昇進など、あらたな人生を歩み出し、舞台となる城西支部から出てしまったため」としている。一部の元城西支部メンバーのその後も描かれる予定だ。

 「HERO」は、01年1月期に今回同様、同局の看板ドラマ枠「月9」として放送され、全11回の平均視聴率が34・3%だった。全回30%を超え、最終回は最高視聴率となる36・8%をたたき出す大ヒットとなった。06年のドラマスペシャルの平均視聴率も30・9%を記録。07年公開の劇場版は興行収入81・5億円で、同年の実写邦画1位の大ヒットとなった。13年ぶりの連ドラ化について、渡辺恒也プロデューサーは「フジテレビが作ってきたドラマの中でも『HERO』は特別な存在。55周年という節目の年に新たなスタートを切るためにも、視聴者の皆さんが楽しみに待ってくれるものをきちっとお届けしたい」と話している。収録は20日にスタートしており、2年ぶりの月9主演となる木村は「お久しぶりです。2014年再び城西支部に帰ってきました。よろしくお願いいたします」とコメント。古巣に戻り、気持ちも新たに取り組んでいる。

 同局は現在、視聴率争いで苦戦を強いられている。13年度視聴率は、全ての時間帯で日本テレビ、テレビ朝日に続く3位。年間視聴率トップを維持し続けていた時代もあったが、今は伸び悩んでいる。大ヒットドラマの続編に同局の寄せる期待は大きい。木村が“救世主”になれるか、注目される。

 ◆「HERO」

 久利生(くりゅう)公平を中心に個性的な城西支部のメンバーの姿も描かれる群像劇。久利生の最終学歴は中学卒業で高校中退後、大検を経て司法試験に合格。通勤服はジーンズにダウンジャケット。現場主義で独特の視点と洞察力を持つ。事件の大小問わず、粘り強く捜査する。ドラマスペシャルは赴任先の山口地検が舞台となり、劇場版は韓国も舞台になった。今回は、劇場版以降の物語で、久利生は2カ所の異動後、再び城西支部へ戻ったという設定。