<第17回日刊スポーツドラマグランプリ受賞者発表>

 「第17回日刊スポーツドラマグランプリ」主演女優賞は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の女優能年玲奈(20)に決まった。あまロス症候群や流行語「じぇじぇじぇ」など社会現象まで起こした作品。能年は受賞の喜びとともに、ヒットの要因を、ツイッター研究の成果と明かした。視聴者が何を面白く感じたかを知り、期待にこたえるため「仕掛ける演技」を心がけていたという。

 社会現象になった人気作。ヒロインを演じた立場から人気の要因をたずねると、意外なことを明かした。ドラマに関するツイッターを参考に演じたという。

 「放送が始まってから、ツイッターをチェックして、その日の放送のどこが楽しんでいただけたのかを研究していました。『ここに食いついてもらえたのか。じゃあ次は』と仕掛けていく。視聴者のレスポンスを見た上で仕掛けていくのはテレビでしかできないこと。それが楽しんでいただけた理由かなと思います」

 例えばどんな仕掛けを。

 「太巻さん(古田新太)に『君だったらどうやる』と言われてやったダンスの振り付け。天野アキが勝手に振りを付ける場面。すごく間抜けになるように頑張りました。もとの動きにひじから下をブラブラする動きを増やし、間抜けに見えるように仕掛けました」

 8月以降、主演映画「ホットロード」や「海月姫」が公開される予定。今後、アキとは違うキャラも演じる。

 「『あまちゃん』を引きずっている感覚は全くないです。今後、いろんな役に挑戦し、新しい扉を開けたいです」

 そう言って取材を終えたが、どうしても言いたかったことがあると、能年から話しかけてきた。

 「誰に何と言われたって、私の基盤、代表作は『あまちゃん』。そう思ってやっていきたいです」

 約1年前は報道陣の質問に考え込むこともあった。今は聞かれたことに間をおくことなく自信を持ってしっかり話す。「あまちゃん」は能年を間違いなく成長させていた。【中野由喜】

 ◆能年玲奈(のうねん・れな)1993年(平5)7月13日、兵庫県生まれ。06年にオーディションでグランプリを受賞。10年までファッション誌「ニコラ」の専属モデル。10年の映画「告白」で女優デビュー。他に11年「動物の狩り方」、12年「カラスの親指」など。ドラマは11年フジテレビ系「大切なことはすべて君が教えてくれた」、12年TBS系「サマーレスキュー」など。血液型A。

 ◆「あまちゃん」

 宮藤官九郎が脚本を手掛けた13年前期のNHK連続テレビ小説。母(小泉今日子)の故郷岩手を舞台に、祖母(宮本信子)のような海女を目指して奮闘。その後、町おこしのご当地アイドルから、上京してGMT47など本格的なアイドルとして活躍する。出演は他に薬師丸ひろ子、古田新太、橋本愛ら。最高視聴率は関東地区で27・0%、期間平均は20・6%。

 ◆ドラマグランプリ

 3月20日から28日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2154票。男性が727票、女性が1427票。10代以下が45票、20代101票、30代263票、40代823票、50代655票、60代以上が267票だった。