【パリ7日=相原斎】綾瀬はるか(29)がルーブル美術館で行われた主演映画「万能鑑定士Q

 モナ・リザの瞳」(31日公開)の特別上映会で舞台あいさつに立った。地下に設置された最新設備の上映会場で前代未聞のハプニングが起きた。司会を務めていた現地の日本人映画関係者が、緊張のあまり、舞台上で貧血を起こし、質疑応答中に音を立てて転倒した。綾瀬は異常事態に声を失ったが、倒れた司会者が運び出された後、大事がないことを知らされると、答えを続けた。「えー、何でしたっけ。そうだ!

 撮影の時もそうでしたが、ルーブルはやっぱりインパクトがあって、スリリングで…」。当意即妙とも思えるコメントに、ジョークと受け止めた会場の空気は一気になごんだ。

 フランスにとって米映画「ダヴィンチコード」以来8年ぶりに、同美術館の至宝モナリザを題材にした外国映画。美術館幹部を中心に約300人が出席した会場の空気は確かに張り詰めていた。綾瀬は終映後、「頭が停止していて、何言ったかよく覚えていないんです。えっ?

 そんなこといったんですか」。天然のままの発言だった。同席した佐藤信介監督(43)は「演出上の難題も想像以上にサラッと打ち返す。演出家にとってこれほどありがたい女優さんはいません」と、天然の、いや天性の才能を評した。