サッカーW杯初戦で日本代表が負けたことで、20日(日本時間)のギリシャ戦を祈るような思いで待つのが、25日に1次リーグ最終戦のコロンビア戦を放送するテレビ朝日だ。ある社員は悲壮感を漂わせながら言った。「2戦目も負けて、決勝トーナメント進出の可能性がほぼなくなってコロンビア戦を迎えることは絶対に避けたい」。

 昨年12月18日の1次リーグ中継局を決める抽選会では、1番くじでギリシャ戦を選んだ日本テレビに続いて、2番くじでコロンビア戦の権利を獲得した。同時に同戦が2大会連続の16強がかかる大一番になると想定し、大掛かりなPR活動を開始した。4月1日の入社式には、新入社員に「625」のナンバーが入った日本代表特注ユニホームを渡して気合を入れたりもした。

 日本代表最後の強化試合となった今月7日のザンビア戦も午前8時から実況生中継し、16・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好視聴率を記録して意気が上がっていた。同日午前10時半から放送した「開幕直前ブラジルガイド!」では、解説者のセルジオ越後氏がブラジルの名所を訪ねて、10・0%を記録するなど、局一丸となって燃えている状況だ。

 それだけに、別のテレビ朝日関係者も言った。「うちが放送する試合は早朝5時のキックオフだし、消化試合のようになると、視聴率も期待できない。ギリシャ戦を放送する日テレさん以上に力を入れて応援します」。この試合で視聴率を稼ぐか否かは、年間視聴率の動向にも影響を及ぼす可能性もあり、ギリシャ戦こそ「絶対に負けられない戦い」になる。