石原プロから36年ぶりに発掘された幻の社歌「太陽と星たちの賛歌」のレコーディングが9日、都内で行われた。舘ひろし(64)がボーカル、徳重聡(35)宮下裕治(39)池田努(35)金児憲史(35)がコーラスを務め熱唱。石原裕次郎さん(享年52)の命日17日から無料配信される。

 全身でリズムを取っていた舘の右手が、握りこぶしとなった。歌声にひときわ、力がこもった。<歌詞>唄え

 友よ

 男の歌を

 男の歌を

 いつだって人生は

 今から

 今から

 出発!!

 「太陽にほえろ!」「西部警察」など、熱い男のドラマを作り続けてきた石原プロらしい、骨太な男の友情賛歌を歌い上げ、舘は感慨深げだった。「70年代の曲って感じがしますけど、非常に男っぽくて、石原さんからの贈り物かな。石原さんが歌うと、もう少し大人っぽく歌うのかな」。

 「太陽と-」は78年1月、裕次郎さんがなかにし礼氏に作詞、羽田健太郎氏に作曲を依頼。同5月の「宝酒造・石原プロCM提携10周年パーティー」で披露の予定だったが、完成したころに裕次郎さんは舌の違和感を訴えた。舌がんだった。レコーディングは行われず、裕次郎さんは87年7月17日に亡くなり曲も埋もれてしまった。昨年8月に創立50周年を迎え「石原裕次郎・渡哲也

 石原プロモーション50年史」を制作する過程で集めた資料から、手書きの譜面が発掘された。

 舘は前日8日、渡哲也(72)に「社歌を歌わせていただきます」と報告。渡の「ひろし、きっと裕次郎さんも喜んでいるよ」という言葉に「熱いものがグッと…」と感激したという。

 一昨年の紅白歌合戦にも出場した舘以外は、レコーディング自体、初めてだったが、舘はボス役として目を配り背中で引っ張った。「歌詞の『太陽』は石原さん、『ともに生きている星たち』は僕たちのことでもあるし、今でも石原プロを支えてくださる皆さんのことだと思って歌いました」と感謝の思いを語った。

 今後、同プロ会長のまき子夫人、渡、神田正輝に加え、裕次郎さんと同時代の日活スターや、裕次郎さんが所属したテイチクの歌手で、日本版「ウィ・アー・ザ・ワールド」的な合唱を収録し、配信することも検討している。【村上幸将】

 ◆配信

 「太陽と星たちの賛歌」は、石原プロホームページ(http://www.ishihara-pro.co.jp/)で17日午前9時から8月末まで期間限定で無料配信される。