石原裕次郎さん(享年52)生誕80年を記念したボックス「石原裕次郎

 永遠の夢」が12月17日にリリースされることが21日、分かった。生涯2度しか行わなかったリサイタル、まき子夫人との私的会話を含む秘蔵ドキュメンタリー、87年7月に亡くなる3カ月前に収録した肉声など、秘蔵の映像、音源を発掘して詰め込んだ決定版となる。

 裕次郎さん秘蔵映像、音源が、まだあった。テイチクが2年前に企画を立ち上げ、当時裕次郎さんを取材し続けたTBSの膨大な映像と、日活で映画のサントラ用に録音されたテイチクにもない音源を発掘。映像を見たまき子夫人は「いとおしい涙と、頑張ったという同情の涙が流れた後、懐かしくて思わず吹き出しました」と感慨深げに語った。

 お宝の目玉は4つだ。

 (1)夫婦の会話

 TBS「スターロータリー」で、収録中だと知らないまき子夫人が、朝からビールを飲む裕次郎さんに母譲りの甲州弁で「ダメじゃん」と突っ込み、逆に「お前、何言ってるんだ。撮られてるんだぞ」とたしなめられ、「だめですよ」と言い直す一幕もある。

 (2)歌唱映像

 生涯2度の全国リサイタルと、数少ないテレビ番組での歌唱を収録。66年の「TBS歌謡曲ベストテン」については、まき子夫人も「撮ったのを知らなかった」と驚くもので、「夜霧よ今夜も有難う」など3曲を披露している。

 (3)最後のメッセージ

 亡くなる3カ月前に「わが人生に悔いなし」のレコーディング後、ハワイから帰国直前に音声を録音。「これから、もりもり、また仕事をしようと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と復帰への決意表明。

 (4)名曲の別バージョン

 歌詞などを替えた映画バージョンに加え、鼻歌まで発掘して収録。

 このボックスは映画評論家の佐藤利明氏(50)の協力の下、約20時間の秘蔵映像を1年かけて検証し、160分にまとめられた。一部は、TBSのワイドショーなどで放送されたものの、大部分は放送されずに素材のまま眠っていた。

 裕次郎さんは50歳記念のインタビューで「長生きしたいしね。仕事もしたい」と語っていた。まき子夫人は「80歳の裕さんは想像できないし、見たかった。その年なりの映画を撮りたいと言っていました。裕さんを思う…今も。元気でいる限り、裕次郎を守りたい」と誓った。【村上幸将】