お笑いコンテスト番組ブームの先駆けとなったテレビ朝日系「M-1グランプリ」が来年夏、5年ぶりに「新生M-1グランプリ」として復活する。主催する大阪・朝日放送(ABC)が30日、発表した。同局の脇阪聡史社長(66)が会見した。共催する吉本興業と28日に合意したという。会見ではフジテレビ系「THE

 MANZAI」への対抗心ものぞかせた。

 漫才の本場、大阪の老舗局が仕掛けた漫才日本一決定戦が復活する。今年初めから吉本興業と協議を始め、吉本主催だった前回と違い、今回はABCと吉本の共催という形で復活させることが決まった。

 プロアマを問わない参加資格で、準決勝敗退組にチャンスを与える敗者復活のシステムなどは、前回を踏襲する。結成年数などは「5年のブランクを考慮して検討中」といい、会場など詳細は今年秋にも固める。

 脇阪社長は「M-1が日本のお笑いをリードしてきた。漫才は大阪の宝。大阪の局からまたニューリーダーを発掘したい」。在阪局発コンテスト番組が、近年のお笑いブームを作ったとの自負をのぞかせた。

 M-1は、80年代漫才ブームをけん引し、現在は芸能界を引退した島田紳助氏(58)が漫才ブーム再燃を夢見て、当時所属していた吉本興業に働きかけて実現した。紳助氏が大会実行委員長を務め、西川きよし、上沼恵美子、中田カウス、松本人志ら上方漫才の各世代をリードしてきた面々が審査員を務めた。

 03年のフットボールアワー、06年のチュートリアルら優勝コンビは、今も全国的に大活躍を続けている。関西では古くから、コンテスト形式の賞レースがあったが、全国的にはM-1が若手の競争を定着させ、お笑い界を活性化させた。02年からピン芸人対象の「R-1ぐらんぷり」、08年から「キングオブコント」がスタート。M-1は「10年で(活性化の)役目を終えた」として終了した。

 11年から吉本興業がフジテレビと組み、「THE

 MANZAI」をスタートさせた。脇阪社長は「THE

 MANZAI」スタートを「ショックだった」という。在京局の放送で内容的にエンタメ色もある同番組とM-1の違いを「(関西独特の)真剣勝負がある」と話した。また紳助氏の出演の可能性については「引退されていますし、連絡はしていません。復帰もない」と明言した。【村上久美子】<現在放送中の主なお笑いコンテスト>

 ◆R-1ぐらんぷり

 ピン芸人日本一を決める大会として02年スタート。「R」は落語から命名。

 ◆キングオブコント

 「コント日本一」を決める大会として08年スタート。決勝はTBS系で放送。

 ◆THE

 MANZAI

 M-1の後継プロジェクトとして11年スタート。決勝はフジテレビ系で放送。ビートたけしが大会最高顧問。番組内でたけしの寸劇披露もある。

 ◆お笑いグランプリ

 朝日放送が前身「お笑い新人グランプリ」の80年から続ける漫才・落語・コント全ての新人演芸に向けたコンテスト。今年で35回目。