歌手氷川きよし(36)が21日、大阪府岸和田市でコンサートを開き、元マネジャーの20代男性への暴行騒動についてファンに謝罪した。くしくもこの日、警視庁麻布署が、元マネジャーを殴ったとして氷川を暴行容疑で、捜査結果を東京地検に書類送付した。

 複数の観客によると、18日に騒動が明らかになって以来、初めて公式の場に登場した氷川は、公演中盤過ぎに「ご心配をおかけして申しわけありません。お騒がせしていますが、何一つ間違ったことも、恥じることもありませんので、安心して僕の歌を聴いてください」と訴えたという。

 氷川に涙はなく、満員の場内は激励の拍手で包まれた。大阪府内の50代女性ファンは「私は氷川きよしの歌が好きやから(騒動は)関係ない」と話した。公演後は報道陣に姿を見せることなく、ワゴン車で会場を去った。

 暴行容疑は、氷川が4月上旬に岡山市内のホテルで、元マネジャーの頭をカバンで複数回、殴ったり、蹴ったりした疑い。取材によると、氷川は暴行を認めた上で、既に示談しているといい、起訴されない見通し。また警視庁は、元マネジャーについても、1億~2億円の口止め料を要求したとして、同署は恐喝未遂容疑での捜査結果を送付した。

 氷川の所属事務所は、公式ホームページで「元社員による恐喝未遂容疑ともども、この件については捜査機関に真相をすべてご説明し、暴行の事実はございません」と説明している。