覚せい剤取締法違反(所持、使用)などの罪に問われた歌手ASKA(本名・宮崎重明)被告(56)の初公判が28日、東京地裁で行われた。

 ASKA被告の初公判が行われた東京地裁の近くにある日比谷公園には21席の一般傍聴席を求め、早朝から長い列ができた。地裁は混乱を避けるため、抽選整理券の配布場所を同公園にした。午前9時半から締め切りの午前11時までの間に2646人が並び、倍率は126倍。東京地裁で今年最高の倍率となった。

 時折小雨が降る中、配布1時間前には100人ほどが集まった。配布開始時には数百人が並び、列は100メートル以上になった。地裁は職員を大量動員するなど異例の対応を取り、整理券もリストバンド型を採用するなどして大きな混乱はなかった。

 徹夜組は出なかったが、一番乗りは新潟から深夜バスで午前5時に駆けつけた30代の女性会社員。20年来のCHAGE

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 ASKAファンでお盆休みをずらして駆けつけた。「健康状態が心配だった。本人の口から本当のことを聞きたかった。いてもたってもいられなかった」。名古屋から駆けつけた20代男性会社員も「薬物を使用したきっかけが知りたかった。まずは薬を完全に抜き、自分のペースで活動してほしい」と話した。

 東京地裁の傍聴抽選で倍率が最も高かったのは、酒井法子が覚せい剤取締法違反罪に問われた09年10月の初公判の約330倍。