先月29日に心筋梗塞のため急死した大相撲元小結でタレントの龍虎さん(本名・鈴木忠清=すずき・ただきよ、享年73)の葬儀、告別式が5日、東京・目黒区の正覚寺で営まれた。葬儀委員長の元横綱・北の富士勝昭氏、芳村真理、松平健、生島ヒロシ、根本りつ子ら約250人が参列した。

 妻貴子さん(55)は喪主あいさつで、龍虎さんが子供たちの成長を見届け、きょうだいとの「別れ」を済ませて亡くなったことを明かした。先月2日に長男規裕さんが20歳になりビールで乾杯し、長女珠子さん(21)が就職内定の吉報もあった。今年2月には弟とハワイでゴルフをし、7月に姉と1日語り合った。「すべてを見届け、安心していったのだと思います」。その上で気丈に「今日が龍虎の千秋楽。出棺の時、花道は温かい拍手で送ってください」と呼びかけた。

 午後0時半過ぎ、拍手と「龍虎!」の掛け声に見送られ、龍虎さんは旅立った。夫婦そろって好きだったクラシックの「威風堂々」が流れた。力士として活躍し、父親の務めも果たし、大病を乗り越えてきた人生に胸を張ってほしいとの思いも込められた。