「よこはま・たそがれ」などで知られる作詞家で直木賞作家の山口洋子(やまぐち・ようこ)さんが6日午前1時6分、呼吸不全のため、都内の病院で死去していたことが15日、分かった。77歳だった。

 歌手八代亜紀(64)の話

 先生には「もう一度逢いたい」など何曲も作詞していただきました。最近はお会いできていなかったのですが、昭和の時代を一緒に歩ませていただいた先生でした。非常に女心を巧みに表現される方で、歌う上で非常に勉強になりました。もっともっと書いて欲しかったです。

 音楽評論家富沢一誠氏の話

 「よこはま・たそがれ」は、「よこはま」「たそがれ」と単語を並べる歌詞で当時珍しく、新鮮で目立っていました。平尾昌晃の作曲で、「リズム演歌」と呼ばれていました。当時の演歌界は「何だこれは」という反応でしたが、後に山口さんが作詞した「うそ」(歌中条きよし)なども、男女の機微がみごとに描かれています。詞の世界の女心を研究しようと、私も山口さんの著作を読んでみたほどです。銀座のママとしての経験などが反映されていたのでしょうか。

 音楽評論家反畑誠一氏の話

 豊かな感性が感じられる歌詞だった。男女の関係を色濃く描いた作品が多く、現実味を帯びていた。東京・銀座のママとして、男性と女性がいる現場を具体的に見聞きしたことが生かされたのではないか。