覚せい剤取締法違反などで有罪が確定した歌手ASKA(56)の知人で、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた栩内(とちない)香澄美被告(37)の第4回公判が21日、東京地裁で行われた。ASKAから覚せい剤を体内に入れられた可能性を示唆してきたが、この日は一転してASKAへの深い愛情をうかがわせた。次回は11月25日午後1時半から行われる。

 9日の保釈後初となる公判に、約8センチの高いヒールの音をカツカツと響かせて入廷した。黒いジャケットに、後ろに深いスリットが入った光沢感のある黒の膝丈スカート、黒いパンプスを着用。眉毛を描くなど見た目に変化はあったが、色の抜けたロングヘアだけは変わらなかった。「保釈後、最初に美容室に行きたかったのですが、我慢しています」。第3次毛髪鑑定を強く望むなど一貫して無罪を主張した。

 過去の公判では、覚せい剤常習者のASKAから体内に入れられた可能性があると示唆。“犯人扱い”していたASKAに対し、この日は一転して深い愛情を口にした。

 女性弁護士による被告人質問では、ASKAの女性関係に言及した。一部で報じられたモデル女性との関係について「女性の影はありました。実際に目の前でメールでやりとりするのを見たので疑っていました。出会ったころからの悩みの種でした」と告白。ASKAと覚せい剤を使用したとして覚せい剤取締法違反(使用)容疑で送検された別の女性については「一緒に使用するのは信頼し合う深い仲。ショックでした。(薬物と思われるものに近づかない)約束を守ってもらっていると思った私がうぬぼれていました」。少なからず嫉妬をにじませた。

 検察側の反対尋問では、逆にASKAへの愛情を突かれた。弁護人の被告人質問で栩内被告は、「なのにあんなひどいことをしたんだ。娘には絶対させないことを」とASKAに送ったメールについては、この日、「反応を見ようと、カマをかけたメールだった」と主張。一方、検察側から「娘にさせないことを私にさせたのね、と読める」などと厳しく指摘された。検察側から、逮捕直後に「(ASKAさんを)心から愛してます」と言ってましたよねと突っ込まれると「覚えています」と小声で答えた。

 最後に裁判長から「あなたの事件について、宮崎(ASKA)に確認したいことは」と問われると、「何か心あたりはあるか、聞きたいです」とだけ答えた。【近藤由美子】